LIFE LIKE BLUE

Diary Log-2003-09

9月30日

旅先で買ったアンダーワールドのリミックス集のレコード『BACK TO MINE』を聴いています。エイフェックス・ツインなんかはまだ分かるけど、TLCはなぜ彼らがリミックスしてるのか皆目分かりません。実際あんまり変わってないし。

いろいろ悩んだ中でこれを買ったのは、MINEという単語に「私の〜」という意味のほかに「鉱坑」とか「廃坑」という意味があるから。散々廃坑を歩き回った後で「BACK TO MINE」鉱坑に戻る、というのは何か語呂がいいし。いつかまた行きたいなあ、という意味を込めて。

僕のアパートの周辺ではあまりレコードが手に入らないです。都心まで出ないと。こういうマニアックな方向に走ると、地方は不便ですね。

取り込んだ画像を一部載せます。

   
食堂
精錬所

9月29日

帰ってきました。疲れたー…。さすがに電車に7時間はキツイです。

で、どこへ行っていたかといえば、はるばる栃木は足尾銅山まで行ってまいりました。長野の友人の実家に宿泊して。友人と友人の親父さんと親父さんの友人と僕の4人で。廃墟だらけだったので、狂喜して不法侵入してきました。写真いっぱい撮ってきました。天気はあまりよくなかったけど、楽しかったです。

今テレビで『レッドサイレン』ていう映画の予告をやってました。12歳の少女が元傭兵の手を借りて悪魔のような武器商人の母親から逃げるという、どこかで聞いた話。でも面白そう。ノーチェックでした。観たい映画が溜まっていくなあ。

明日で9月も終わり。ぼやぼやしてるとあっという間に年が終わってしまう。

9月26日

green

旅に出ます。明日。

9月25日

下宿に母親が来ました。すげえ久しぶりに車を運転しました。最初はギアチェンジもままならなかったのですが、ちょっと走ってたら段々スムーズに。意外と体は覚えてるもんですね。起き抜けだったのですが、煙草を一服したらニコチンが回って、ナチュラルハイになってすいすい運転できました。

昼まで寝ていたのは、前日に『TEXHNOLYZE』の最終回を観ていたから。面白かった。てゆうか最後はちょっと泣きそうになってしまいました。不覚。始まった当初はよく分からなかったのですが、通して見ていたらハマッてしまいました。電線とか鉄塔とかいっぱい出てきたし。アートフィルムみたいな始まり方をして、その後ハードSF、サイバー"仁義なき戦い"と趣向を変え、終わり方はエヴァンゲリオンというすさまじい展開ですが、はじめから見ると意外と筋が通っていて、なかなか楽しめました。「叔父貴」とか「ドス」という単語とサイボーグが一緒に出てくるアニメなんて、後にも先にもこれだけ。

立ち寄ったブックオフでハウィーBの『スナッチ』とアリステア・マクリーンの『荒鷲の要塞』を購入。前者は以前から気になっていたので、980円で買えてよかった。もともとダークな感じの音楽だとは思ってましたが、このアルバムが特に暗いのは、ビョークと別れた後に作られたからだそうな。ビョークと付き合うってこと自体想像できませんが。大変そう。アリステア・マクリーンのほうは100円。もうじきBSのクリント・イーストウッド特集でやるので、勉強のために購入。

来月のBSは『荒鷲の要塞』にはじまり、『パリの灯は遠く』とか『天井桟敷の人々』といった第二次大戦の映画をたくさんやるので楽しみ。特に『天井桟敷の人々』は『フリッカー、あるいは映画の魔』のなかで絶賛されていたので、一度観てみたいと思っていたら早速。ナチス占領下のフランスの映画人たちによって作られ、関わった制作者はみなレジスタンスをかくまっていたという逸話がある映画。当時の被占領国で映画を作るということは文字通り命がけですが、そういう怨念のこもった映画とはどんな感じなんだろう?

戦争といえばテレ東でやっていた『プラトーン』を観ました。後々『ホットショット』などでマッチョキャラになっていくチャーリー・シーンがまだまだお坊ちゃんに見えてちょっと新鮮でした。それにしてもウィレム・デフォーはやっぱりいい役者。最近では『処刑人』の変態署長や『スパイダーマン』のグリーンゴブリンなどキワ役が多いですが、『今そこにある危機』のクラーク役など精悍な役も出来る幅の広い役者です。最近はこういういいバイプレーヤーが減っているのが残念。

9月24日

僕はレアとか限定版とかいう言葉に弱いです。

今日は一日中資料コピーをしていました。聞き込みに行った先で貸していただいた郷土資料なのですが、おそらく昭和6,7年に出版されたもので、当時の統計などが記載されているため非常にレアな代物でした。何か意味も無くわくわくしたり。200ページ近くあったのでなかなか苦労させられましたが、妙に嬉しかったりしました。

昨日書き忘れたのですが、『マトリックス・リローデッド』を観に行った際にトム・クルーズの『ラスト・サムライ』の予告が流れていました。これってワーナーの配給だったんですね。僕が映画にハマりだした頃は、何となく大作の20世紀FOX、良作のパラマウント、B級のワーナーという漠然としたイメージがあったのですが、最近はそうともいえない感じです。小雪が綺麗でした。金のかかった大河ドラマという趣でしたが、ハリウッドと邦画の決定的な違いを知るいい機会なので楽しみです。

来月、アンダーワールドのベストアルバム『UNDERWORLD1992-2002』と『ボーン・スリッピー2003』が同時発売。ベストのほうはDVD付ということで、tomato制作のPVが収録されていることを期待。ボーン〜のほうは最近ラジオでかかるようになったので何度か耳にしていますが、ピアノが入ったりして、やはりアンビエントへの傾倒が顕著になっています。前作でDJのダレン・エマーソンが抜けて一気にアンビエントへの比重が強くなり、ファンの間では賛否両論だったらしいですが、個人的にはどちらも好きなので問題なし。それにしても、出世作のボーン〜をアンビエントリミックスしたということは、やはりダンスミュージックへの決別という意味なんでしょうか?

9月23日

煙草の消費量が笑えなくなってきた。

4年越しで探していた本を昨夜見つけました。Roy Ardenという人の『Terminal City』という写真集。スタジオボイス誌の写真集特集のときに取り上げられていて、それ以来ずっと探していたものです。最近活用するようになったアマゾンで発見。以前検索したこともあったのですが、ちょっとしたキーワードの表記を変えただけであっけなく引っかかりました。正に灯台下暗し。

ウォシャウスキー兄弟/『マトリックス・リローデッド』。近くの文化ホールでを観ました。映画自体はあまり人に言えない方法ですでに観ていたわけですが。やはりこういう映画は大画面といい音響でないと。でも、画面は大きいけど、音声が今時モノラルなのはちょっと痛かったです。あまり論じられることはありませんが、映画の良し悪しには音響というのも少なからず重要なファクターのひとつです。内容はアレでも音響で結構カバーできるものです。『ターミネーター3』のカーチェイスなど、そのいい例。人間、耳から得られる情報とか影響は、目で見るそれに匹敵するほど。アカデミー賞の音響賞なども馬鹿に出来ません。最近では、『パール・ハーバー』なんかもいい音響でした。映画というのは、実はそういった様々なファクターによって構成されているんですね。

話がずれましたが、リローデッド。よく出来てはいましたが、やはりドラマが弱いというのが一緒に観に行った面々の意見。「愛が世界を救う」なんて、今では某24時間テレビでしか使ってません。ウォシャウスキー兄弟が日本のアニヲタというのは周知の事実ですが、僕に言わせれば結局、映像構成の方法論は理解していても、なぜアニメが面白いかという本質には至っていません。宮崎アニメや押井守の映画が何故ここまで受けるのといえば、そのメッセージの複雑性にあると思います。それがいかに構築されたかについては歴史的観点、技術的観点、その他もろもろを踏まえた上でレポートが一つ書けてしまうので省きますが、要は監督の思想やら考えやらが観客にそれと気付かせないように厳重にオブラートに包まれているからなのだと思うわけです。表面的には純粋な娯楽作品でありながら、改めて観てみるとその演出や構成の一つ一つにちゃんと意味が隠されている。マトリックスは完全に技術とドラマが乖離してしまっていて、その結果アクションはすごいけど中身は味気ない、というウェディングケーキの蝋細工を食わされている気分に陥る、と。さらに、戦後の、勧善懲悪に後ろめたさを拭えない日本人の根底にある複雑な心理と、表現手法として紙という手っ取り早い手段を選ばざるを得なかった金の無さが加わって培われてきた文化だからなのではないか、とか考えたりします。

何か、こんな字面をずらずら並べた論文まがいの文章を読んでくれる人がいるのか心配。 思ったことと、読んでいる人間をいかに飽きさせないかということをいかに両立させるか、というのも、演出者としての重要な技術です。

9月22日

煙草が切れたので、代わりにコーヒー(ネスカフェ・ゴールドブレンド)をがぶ飲みしていたら、何だかクラクラ。

このネスカフェのインスタント・コーヒーって、イギリス王室の御用達なんですね。御用達っていうと何か、やたら高級品ばかりのようなイメージがあるけれど、意外と庶民的というか。ちなみに理由は「朝は時間が無いから、お湯を注ぐだけで出来るのがいい」らしい。適当な御用達だな。

二瓶勉/『BLAME!I(完結)』。ついにBLAME!も終わりか。ヲタ度を増すアフタヌーンにあって、唯一サイバー・パンクSFという化石のようなジャンルを貫いてきたわけですが、最近は明らかに浮きがちだったからなぁ…。まあ、巻数的にはこの位で終わってくれると集めた後も納まりがよくていいですわ。話の方はもう、一度読んだだけではサッパリな感じですが、とりあえずサナカンが活躍してくれたんで満足。この漫画に出てくる駆除系セーフガードは、ビョークのPVに出てきたアンドロイドにそっくりだけど、著作権とか大丈夫なんかな?もうすぐ画集とDVDも発売なので、まだしばらくは楽しませてくれそうです。

もう一冊、鶴田謙二の『Forget me not』を衝動買い。相変わらずこの人の絵はエロいなあ。

午後は宅配便を待っている間ヒマだったので、ずっとレコードを聞いていました。僕のターンテーブルは、今のBOSEのコンポを買ったときにキャンペーンでもらったものなんですが、なかなか調子よく動いてくれて重宝しています。レコードの音は柔らかくて好きです。すぐ埃がたまるけど。以前祖母の家に行ったときに古いレコードをたんまりせしめてきたのですが、その中で一番の拾い物は『宇宙戦艦ヤマトのテーマ』。やたらとコーラスがきれいで、逆に笑えます。いや、好きな曲ですけど。カラオケに行ったときは必ず歌いますし。

9月21日

寒いです。

今日は雨の中あちこち聞き取り調査で歩き回ってきました。雨で濡れるわ寒いわで大変でした。人に全く会わなかったり、初対面の方の家にお邪魔してお茶をいただいたり、なかなか起伏が激しいです。調査内容は卒論にも関係あることなので、結構文献などを必死に探しているのですが、この街ではなかなか手に入りません。大学図書館は週一日しか開いていないし、博物館は資料が全然整理されていないし、市立図書館はトイレ修理で突然休業するし…。

楽しみにしていたBS1の「地球ウォーカー」が、テロ追悼式典とやらの放送で30分ほど遅れました。これほどテロとアメリカが憎くなったことはありません。

「地球ウォーカー」の特集はベルリンの地下都市について。あまり知られていないのですが、ベルリンには第二次大戦中に建造された、巨大な地下都市が広がっています。ベルリン地下協会という渋い団体によって研究されているのですが、これか非常にカッコイイ。廃墟や建造物などに惹かれる人間にはたまらない代物です。観光ツアーもやっているらしいので、いつか行ってみたいです。

あ、そういや今日『BLAME!』の最終巻発売。またひとつ面白い漫画が終わってしまったなぁ…

廃墟的な…

9月20日

来ましたねえ、地震。僕はその時間寝ていたのですが、グラグラッときた瞬間目が覚めまして。適当に本棚に積んであった本が落下し、これまた適当に積んであったCDが崩落し、ついでにデスクトップのところに置いてあったコップが落下して、椅子に当たって粉々に。 さぞや被害は大きかろうとTVをつけたら「地震がありましたが、特に目だった被害はありませんでした」。うちだけか。

成田良吾/『バッカーノ!1931特急編』電撃文庫刊。先月に引き続き、前作『鈍行編』の姉妹編にあたる本作が刊行。いやぁ、実に良く出来てます。前作で投げっぱなしになっていたエピソードが、実にキレイに回収されてます。さらに、それ以上に良かったのが、登場人物の造形。もともと群像劇ということもあって登場人物は実に多いのですが、それらの性格やキャラクターの使い方が実に上手い。冒頭にちょこっとしか登場しなかった人物も、その性格を最大限に生かしてうまく使っています。作者はタランティーノ好きと公言しているだけあって、実に映画的な展開に仕上がっていて、良質な映画を1本観終わったかのような満足感があります。ここまで面白かったなぁ、という感を与えてくれる小説は最近あまりないですね。ただ、作中に頻繁にある誤字は何とかして欲しいです。

映画といえば、黒沢清の新作『ドッペルガンガー』がもうすぐ公開。黒沢監督の映画は面白いのですが、正直最近は若手の起用などで質が低下してる感が否めません。まあ、要するに『回路』の加藤晴彦のことですが。しかし、今回の主演は役所広司!『CURE』や『カリスマ』といった黒沢の傑作を生み出した俳優なので、割と安心して観にいけそうです。ユースケ・サンタマリアがキャスティングされているのも、どんな風に仕上がっているか興味のあるところ。しかも、主題歌がPE'Z。これだけ揃えられては観に行かなくては。CMを見た感じでは、ヒロインの永作博美がへんてこな車椅子にくくりつけられてぐるぐる回ってたり。わけわかんねぇ!

9月19日

帰ってまいりました。清里は涼しくて牛がいっぱいいました。

しかし、期待心配していた大地震もとりあえず来なくて、無事に悲惨な中間発表も乗り切りました。帰り道で地震が来たら、『ドラゴンヘッド』のように徒歩で家を目指すのかなーとか色々妄想してたんですが。まあ、今来たら部屋の本棚が大崩落必至なので、もう来なくていいです。地震来るな。

地震地震とはしゃいでいたら、おまつり。さんに「来ねえよ」と一蹴されました。

合宿中に、同じ宿に泊っていた早稲田の人達が、施設内のコートで爽やかにバスケをしていました。真似をして、ゼミの皆さんとバスケのようなものをしたのですが、始めて30分くらいで誰も走らなくなり、「ゲホッゲフゥ」とか「ウオェエ」という喘ぎ声が響き渡る悲惨なバスケになりましたとさ。

しかし疲れました。もはやタイピングもままならないくらい疲労がとれません。なのでもう寝ます。おやすみなさい。

とか書いてる最中に部屋がガターンときました。地震か!?と身構えたら、隣の部屋の人が派手にコケただけだったようです。怖えー。

9月16日

…もう朝か…。実際これを書いてる今は、もうすでに17日であります。先ほどようやく卒論の中間発表用のレジュメがあがりました。やっつけにもほどがある!って言われそうな出来ですよ。ええ。今日から3日ほどゼミ合宿です。何のためやら、わざわざ清里くんだりまで行かねばなりませぬ世!帰ってくるのは19日です。

しかし、昨日はエライ爆発事件がありましたね。最近は何故かこういう大規模な爆発が増えています。爆発は映画の中だけにして置いて欲しいものです。

これだけの危険の中、命がけで戦っている機動隊員の方々には、本当に敬服しますね。亡くなった機動隊員の方のご冥福を祈ります。しかし、日本の警察は最近の犯罪をナメ過ぎでは?あの段階でもSATを使わないものですかね。まあ、流石にまだ日本ではMP-5振り回して突入する特殊部隊は、刺激が強すぎますかね。「なんで現場に血が流れるんだ!室井さん!」←いまいち決まんないな、コレ。

そういえば、何かの世界調査で、日本の高校生は「小説や新聞など難しい本を読む人間の割合が最も低い」とかいう結果が出たそうですね。逆に「マンガ雑誌やコミックなど簡単な本を読む割合は最も多い」そうな。いやもうアホかと。誰だ!マンガを「簡単な本」とか抜かす野郎は!そこらの小説なんかよりよっぽど難解なマンガは山ほどあるし、そもそも今の煮詰まった小説界に比べれば、マンガの方がよほど実験的かつ豊かな表現にあふれてると思います。ゴシップまがいの記事ばかりの新聞や、一部勢力に寡占された小説界に比べたら全然マシです。だと思います。ま、それだけ日本のマンガのレベルが高いということですわ。サラリーマンがマンガ雑誌買う国は、世界広しといえども日本くらいのもんですよ。人間のレベルが低いんじゃない、文化レベルが高いんだ!…多分。

このサイトのどこかに、新しい壁紙を仕込んでおきましたので、留守中暇な人は探してみてください。まあ、狭いサイトだからすぐ見つかるかな?

そういえば、地震は来るのか…?(((( ;゜Д゜)))

9月15日

敬老の日です。でも誰とも喋ることなく一日が終わりました。やれやれ。

そろそろ本格的に卒論の準備をしないとマズイです。明後日から卒論合宿で中間発表をしなくてはなりません。そして現在何も用意出来てません。明日は真面目に勉強せな…

月島

9月14日

気付いたら30時間も飯を食うのを忘れてたり。いや、別に何をしていたわけでもないですが。やけにイライラするなあ、と思っていたら。飯はちゃんと食わないといけませんね。

NHK教育で高校放送部の、自主制作映画(っていうのか?この場合)の優秀作品を放送していました。審査員兼コメンテーターは、最近映画も作らず学生映画の審査ばかりしている崔洋一監督。で、実際観てみたわけですが、これがサッパリ面白くない。まあ、プロではないんで、滲みるような演技とか、斬新なカット割とか、驚天動地のストーリーとかを期待してるわけではないんですが、媒体がNHKというせいもあってか、小ぎれいにまとまっているけどなんとも面白みのないものに終始していました。テスト終了5分前の男子生徒が、延々くだらないことを考えているのを延々ワンカット・ワンアングルで撮ったものなど誰も観たくないっつーの!崔監督の講評もひどかった。「一見とりとめが無い思考も、その場その場で段階を踏んで良く練られて云々」とりとめないよ!「生徒の思考をずっとワンカットでとるところに面白みが云々」違う!映画の華は編集とカット回しだ!てゆうかその前に面白くないよ!数学のテスト中に、あまりにも分からなくて腹が痛くなったこと思い出しちゃったじゃないか!

映画はエンターテイメントです。観ている人間が面白くてなんぼです。偉い人にはそれがわからんのです。あまり映画を作っていると、感覚が麻痺してよく分からないものが面白くなってしまうのでしょうか?映画監督として映画を撮り、それを他人の時間をもらって見せる以上、映画はサービス業です。自分の主張や、やりたいことはこっそり気付かれずにやる。それが大事。僕ですか?僕の映画は面白いから問題なし!

ということにしといてあげてください。

9月13日

SEAL最高

ネビル・シュート/『パイド・パイパー』創元推理文庫刊。パイド・パイパーとは、有名な「ハーメルンの笛吹き」という民話の笛吹きの名前。この小説は、第二次大戦中のフランスを舞台に、70を過ぎた老人がハーメルンの笛吹きよろしく、子供たちを引き連れながら祖国イギリスを目指すお話。1940年夏、傷心を癒すためフランスの片田舎へ釣りに出かけたイギリスの老弁護士ハワードは、急速なドイツ軍の進撃によって帰国を余儀なくされる。しかも、休暇先で知り合った夫婦の子供2人を連れて。しかし鉄道は分断され、バスは空爆によって大破し、彼らはやむなく徒歩で果てしない距離を歩むことに。さらに、途中で知り合ったメイドの姪や両親を失った孤児など、幼い同行者はどんどん増えていく…。

この小説の驚くべきところは、第二次大戦真っ最中の1942年に出版されていながら、戦争というものを実に冷静に捉えているところです。片足を棺おけに突っ込んだ老人と、何が起きたのかも分かっていない子供たちが、ひたすら機知と人間の善意を武器に、ドイツ軍の駐留する戦火のフランスを縦断していく。劇中ではイギリスの爆撃機でも誤爆によって市民を殺すし、ドイツ兵全てが残虐なわけでもない、全ての登場人物があくまで一人の人間としてリアルに描かれており、それゆえ彼らを助ける人々の善意が際立ってきます。プロパガンダでも戦争批判でもなく、純粋に非力な人間たちが知恵と他者の助力によって危険を乗り越えていくさまは、読んでいてハラハラさせられると同時に、戦争を起こす人間という生き物がまだそれほど捨てたものではない、という気にさせられます。それにしても作中のハワード老人はすごい。作中では何も分かっていない子供たちによって少なからず危機が訪れますが、彼は「老人ならではの忍耐と経験」によって全く取り乱すことなくそれらを乗り越えていきます。読んでるほうは頭の一発もぶん殴ってやりたくなるのですが。こういう大人になりたいものですな。

そういえば、17日前後に大地震が来るかもしれない、という予測がまことしやかに囁かれてますが、果たしてどうなんでしょうか。もし本当なら、今現在全く進んでいない卒論の中間発表もうやむやになるなあ、と一瞬思ったことは内緒です。

月島

9月10日

ああ、ついに9月も二桁台に突入。20過ぎてからこっち、日が経つのが早いこと。

DVDの衝動買いという、この上なく金を食うこの趣味を何とかしなくては。などと思っているのに、またもや欲しい映画がDVDになっておりましたよ。『武蔵野鉄塔線』という邦画をご存知でしょうか?僕もかなり前に一度TVでやっていたのを、実家で母と一緒に観たきりなのですが、これが非常に良く出来た作品でして。僕の作った映画なり映像なりを観た人は大体知っていると思いますが、僕は電線や電柱や鉄塔といった構造物が大好きなのです。そりゃもう、電線だけでPVを一本作ってしまったほど好きです。8分間音楽に合わせてひたすら電線が踊るさまは、それはそれは不評(一部同志を除いて)でしたがね。その原因はほぼこの映画にあるといっていいでしょう。この世の中には鉄塔マニアなる人々が存在し、サイト上で「これは川世線63号鉄塔です」などと語り合っているわけですが、そうした人々にとってこの映画はもはや、鉄塔のバイブル的存在です。

ストーリーは、2人の少年が鉄塔線の最後に何があるのかを見るために、ひたすら鉄塔に沿って歩いていく、という極めてシンプルなものですが、この映画の主人公はあくまで鉄塔。快晴の夏空に聳え立つ鉄塔、ずらりと一列に並んでいる鉄塔、夕焼けを背後にシルエットになる鉄塔…。たまりませんな

この『武蔵野鉄塔線』が7月21日にすでにDVD化されていました。もう二度と観ることは叶わぬと思っていたので、非常に嬉しい…ですが、今月は金欠なのでもう無理ですね。バイト代も借金に消える今の生活では。

『綺麗』

9月9日

遅まきながら1000アクセス記念の壁紙をコソーリ投下。ま、毎日誰かは見てくれてるってだけでありがたいのです。でも壁紙はやっつけ。…シンプルだということにして置いてください。WinとMac両方に使えるし…。…。これからも当サイトをよろしくお願いします。

9月8日

と、いうわけで。早速SEALのニューアルバムを予約してきました。アマゾンで。

それにしても、アマゾンてどうなってるんですかね?買ってもいない本やCDがオススメに追加されているんですが、それがことごとく僕の的をど真ん中です。欲しくて忘れていた本や、知らなかった本がズラリ、と。要するに、同じ商品を買った人がどんな商品を一緒に買っているのか、とか、購買者のある程度の傾向を元につくっているだろうことは予想できるのですが、それにしてもあまりにドンピシャです。おかげでCD一枚買うはずが、予定に無いものを大量に購入するハメに。この商売上手め!見られてる…?とか疑いたくなりますね。ネットって怖いなあ。

9月7日

キタキタキタ━━━(゚∀゚≡(゚∀゚≡゚∀゚)≡゚∀゚)━━━━!!! 来ましたよー『SEALW』が!!!長かったなあ!前作の『HUMAN BEING』から…もう何年だ?確か大学2年の初夏に新作出るとか言う噂を聞いてたから、少なくとももう3年以上待たされましたね。もう日本でのリリースはおろか、永遠に新作は出ないもんだと思ってましたが…。US版が9月9日発売!あ、明日だ!買い!買いー!!これでもかってぐらい(・∀・)イイ!んで、機会があれば聞いてみてください。

SEAL WEB →

SEAL W →

ウェブサイト上で曲が試聴できます。試しに、ぜひ。

9月6日

舞城王太郎読みたさに、講談社発行の『ファウスト』を買ってしまいました。節約強化週間の最中に。月曜のバイトからはお弁当を作って持っていこうと考えています。

しかし、最近はこういう、メタ的、というか要するに、作者の現実だか妄想だかよく分からないような世界をひたすら羅列した作品が流行っているのでしょうかね?物語、という枠でくくれないような世界。それがいいことなのか、悪いことなのかは分かりませんが、これが文学の新しい潮流だとまで言い切られると、ちょっとどうかと思います。面白いのもあるけれど、せめてオチぐらいつけろよ、と。

セオドア・ローザック/『フリッカー、あるいは映画の魔』文春文庫。いやあ、長かった。総じて、実に面白い小説ではありましたけど。99年の『このミステリーがすごい!』で1位になった大作で、映画、というものの存在を軸に、歴史、哲学、心理学、そして宗教学まで網羅したとんでもない小説。内容も冷静になって考えれば、いわゆるトンデモ本の類になりそうですが、スティーブン・キングが時に青春小説の体を借りてホラーを書くように、一人の人間の人生を追体験しながらその謎を追っていくさまは、奇天烈な内容を文学にまで昇華させています。

主人公はルイ・マルの『恋人たち』を観たことで映画の世界にのめりこみ、映画学校に通いながら、クラシック座という個人経営の映画館へ通うようになり、そこの女主人に映画理論の手ほどきを受ける。やがて彼は、ドイツで神童と呼ばれながらも、その完璧主義からハリウッドではいちB級ホラー監督として死んだ、マックス・キャッスルという映画監督の作品に出会う。その異様な魅力に取り憑かれた彼は、キャッスルについて調べていくうちに、映画の深遠にひそむ、ある宗教団体の存在に気づく。

この小説の上手いのは、作中の世界と現実の映画界が巧みに入り混じっているところです。オーソン・ウェルズやジョン・ヒューストンなどの有名人はまだ分かるのですが、戦前の撮影監督や女優、作品などは、よほどの映画マニアでないとどこまでがフィクションなのか分かりません。そのため、物語の鍵となるマックス・キャッスルという人物の魔性がリアリティを帯びてきます。ただ、そうしてリアルとフィクションの中間に位置することで成立している面白さが、下巻後半になって突然、ありえない展開によってぶち壊しになっているのは残念でしたが。

作中では主に、第二次大戦前〜1960年代までの映画を取り上げていますが、それらの映画の魅力が登場人物の口を借りて論じられています。80年代以降のハリウッドアクションを見て育った僕のような人間は、いったい古典映画のどこが面白いのか今ひとつぴんと来ないのですが、この小説の作中ではそうした映画が、いかに素晴らしいか(または駄作か)が説得力ある筆力によって書かれており、読んだ後に、観てみたい、という気にさせられます。技術的にも歴史的にもある程度知識を入れておかないと、そうした映画の魅力を感じ取れないのが、いまや映像の氾濫する世界で育った世代の悲しいところでもあります。

某総合掲示板の映画批評を読んでいて、『ブレード・ランナー』は名作といわれているが良さが全く分からない、同じ世界観なら押井守の『攻殻機動隊』の方が面白い、ということを言っている人がいたのが驚きでしたが、彼らにとって『攻殻〜』がリアルタイムの驚きであって、そうした退廃したSF世界観を最初に作り上げた『ブレード・ランナー』は古典の名作ゆえに衝撃をともなわない、ということなのでしょう。もちろん『ブレード・ランナー』の魅力はそれだけではないのですが、『マトリックス』が最初の映画体験の世代にとっては、ジョン・ウーも押井守も古典になってしまうわけで…。我々が、編集技術を確立した名作『戦艦ポチョムキン』のカット割を見て当たり前だと感じるように、いずれ『マトリックス』の映像技術も当たり前のものとして感じられるようになる、というか、すでにそうなってきていますね。そのスピードは技術の向上と共に加速してきており、映画館で流れたあの、弾よけのシーンで使われた「ブレット・タイム」も翌月にはテレビのCMで流れていたりします。前述の『フリッカー〜』は95年出版ですが、すでに現在のCG全盛、細切れになった意味のない映像が氾濫する映画界を予測しており、ちょっと驚かされました。少なくとも、現在ロードショウの映画からは、『フリッカー〜』で描かれているような、映画の魔力、というものを感じることはできないのが悲しいですね。

9月5日

ああ、何か切ねぇなあ…。

スイマセン。いきなり。こんなアレで。今日もバイトに行って、帰ってきて風呂に入って、いい具合に疲れていてテレビをつけたら、BS−2でシャーリー・マクレーンの『夕べの星』という映画をやっていまして。僕はたいてい、特に観る番組が無いときは、NHKのなんとか地球紀行とかBSの映画とか民放の深夜映画なんかを観るとはなしにつけておくことが多く、今日の映画もそれとは知らずにつけっ放しにしておいたのですが、疲れていたせいか、妙にこの映画が沁みてきまして。途中でストーリーもよく分からないのに、危うく泣きそうになってしまったり。

この映画、アカデミー賞でオスカー5部門を独占した『愛と追憶の日々』という映画の続編なのですが、そもそも前作を観ていないためそれほど話に感情移入できず、実際話は良く覚えていないのですが、役者の演技は実に素晴らしかったです。主演のシャーリー・マクレーンの表情を見ているだけで実に圧倒されました。ストーリーは、死んだ娘の残した3人の孫を引き取った老婦人が、なかなか打ち解けられない彼らとの関わりのなかで、自分の生きる喜びを見つけていく、というような感じだったのですが、ラストの方で無二の親友だったメイドの遺灰を砂浜に撒くときの彼女のなんともいえない表情や、やがて来る死を前に穏やかに生きているときの表情など、とても僕の稚拙な文章では言い表せないものがありました。総じてカットまわしは地味ともいえる印象なのに、役者の演技で、後になってそれらが非常に効いてくるような感じでした。周りを固める俳優陣も上手く、最近元気なジャック・ニコルソンや、地味に上手いビル・パクストンなど、華は無いけれど味わい深い役者がそろっていて、じわりとくるような渋い演技でした。しかも見終わった後にいつまでも後を引いて、なかなか調子が戻ってこない…。

適当に映画をつけていると、時々このようにして、ふと、いままで知らなかったいい映画に出会えることがあります。以前、同じようにして、深夜たまたまテレビをつけたときにやっていた『ステート・オブ・グレース』という映画を、結局朝方まで見てしまったこともあります。これは、ショーン・ペン、エド・ハリス、ゲイリー・オールドマンという名バイプレーヤー3人を軸にしたアイリッシュ系マフィアの話なのですが、これを見るまでその存在すら知らず、しかもゲイリーの演技といったら、今まで見た彼の演技の中でも3本の指に入るほどでした。さらに驚くことに、ゲイリーとエドが兄弟役とは!あまりに地味すぎたとはいえ、普段はこういった隠れた良い映画になかなか出会えないものです。試しにこうやって偶然やっていた映画を観てみるのも、案外いいものです。

浦沢直樹の新作『PLUTO』を読みました。相変わらずスゲー!この人!予告では浦沢直樹と手塚治虫というのが、全くぴんと来なかったのですが、読んでみて納得。手塚テイストを残しながらもきっちり自分の作品に仕上げていました。また舞台はドイツというのも意表を突かれましたが、何より相変わらず主人公がかっこいい!浦沢直樹の描く主人公というのは、皆じつにハードボイルドですな。レイモンド・チャンドラーなんかを思い出させます。これから月一で連載ということで、早くも来月が待ち遠しいです。(しかし、やっぱりホラータッチなのか…)

9月3日

いやもう暑いのなんのって!

『LASTEXELE』のDVD2巻が届きました。っていってももう発売から2週間近くたってますが。相変わらず出来はいいのですが、2話収録で6000円也はちと高いですね。洋画なんて、「安いけど大容量」が主流なのに…。ほぼ同額で3枚組み収録時間8時間、なんてざらですし。うちのぼろTVで見たらクオリティも何もあったもんじゃないです。せめて3話入れてくれ!OST2も今日出たようなので買ってこようかな。うーん、お金が…。

今日の東京はひどい雷雨だったようですね。ちょっとくらい降ったほうが涼しくなっていいような気もしますが。でも明日は久しぶりにバイトに出るので、できれば降らないで欲しいなあ。バイト先は高速道路の規制なので、降られると逃げ場が無いんですね。前回もひどい夕立にあって、パンツまでずぶ濡れになりましたし。

9月2日

もう9月か。今年は夏がなかったですね。大学最後の夏なのに。まあ、暑かろうと寒かろうと何かあるわけではないんですがね

しかし、毎年この時期、僕の部屋には闖入者が絶えません。アパートの裏が畑ということもあり、大学1年の時には大量のナメクジが発生し、2年の時には蟻の通行路にされ、3年目で2階に移ってようやく安心かと思いきや、今度はアシナガバチによる空襲にあいました。今年はまだそれほど目立った被害がないのですが、最近徐々に増えているのが、ガガンボ。こういうやつです。小さい奴が一匹やそこらなら、まだかわいいもんですが、これがまたデカいのなんの!そして暴れる!奴が部屋に入ってくると「ヴヴヴヴヴヴ」という異様な羽音が響き渡り、狭い6畳間をぐるぐると飛びまわります。しかも曲者なのはその脆さで、折角掴んでも足を切り離して(というか切り離されて)さらに暴れだします。これを書いている今も、網戸の外で羽をばたつかせながら、一生懸命光の元へ向かおうとしてやがります。もう3日連続で部屋に入ってきているので、そろそろ対策を考えねばなりませんな。しかし、ガガンボってどうやって駆除すればいいんだろ?

9月1日

ブロンソンが死んだ!!!。・゚・(ノД`)・゚・。ウワァァァァァァァァン!

無論、北斗の拳の武論尊氏のことではありません。「う〜ん、マンダム」の方です。81歳との事で、まあ亡くなってもおかしくはない年齢ですが、彼のこれまでの出演した映画の姿や、彼自身の放つ強烈なイメージは、なぜか彼が死ぬわけがないと思わせるものでした。ハリウッド黄金期の俳優がまた一人逝ってしまいました。浦沢直樹が『20世紀少年』の作中でケンヂの口を借りて、大脱走で「スティーブ・マックイーンとマンダムは目の輝きが違う」と言っていたように、目に力のある役者でした。なかなかああいう目を持った役者はいません。

それにしても、死因が肺炎とは。何だか銃弾でぼろぼろになって死ぬんじゃないかと、漠然と思っていたのは、それだけ彼のイメージがアウトローだったということですな。

ちなみに、ガンダムの語源が、彼のCMの「う〜ん、マンダム」からきたのは有名な話で、そういう意味では世界中のガンヲタの生みの母の一人だった、ということですね。ああ、ありがとうブロンソン!ブロンソンよ永遠に…