LIFE LIKE BLUE

Diary Log-2004-10

10月31日

激疲れモードなので、あったことだけサラリと。

バイト。朝っぱらからバイト先の歩道脇に小動物の死骸があって気分が重くなった。猫かと思ったら子犬だったらしい。袋詰めだったので、犬が「こんなところで死んで申し訳無し。不肖わたくし、せめて自ら袋詰めになりましょう」とか思って袋に入ったのでなければ、誰かが袋に入れて道路に放り投げたんだろう。まったくもって残虐な奴だ。お前が死ねと。これだから江東区は怖い。そのうち郊外型の殺人事件でも起きるんではないだろうか。折りしもすぐ脇のショッピングモールでは、犬の着ぐるみによるちびっ子向けの「楽しいワンワンショー」なるイベントが開かれていたりして。みんなー、本物のワンワンはココにいるよー。袋詰めで。気分が重い。

今日はテナントのアピタが「開店半年祭」でポイント5倍セールとかやってたもんだから、車の行列にチャリの不法駐輪にと死ぬほど疲れた。たかが半年そこそこで祭るなと。チャリのオバハンとか車のオッサンとかに、色々イチャモン付けられて死ぬほど疲れた。冬の制服が支給されたけど、なんか海老茶というか血痕色というか、妙に毒々しいブレザーで気が滅入った。しかも片方の胸ポケットはダミーだった。フタは付いてるけど、肝心のポケットが無い!まるでパチモンみたいだ!だせぇ!

警備のバイトは、まあ嫌いじゃないけど、うかうかしてると抜け出せない。映画を作るためにここにいるのに。昨日のヴィンセントの言葉がいつまでも引っかかっている。

10月30日

激疲れモードなので、あったことだけサラリと。

昼。学校で開かれている「コンテンツプロデューサー養成講座」へ。林海象監督の講義。氏が制作した『私立探偵濱マイク』シリーズなどのプロモを観ながら、現在映画監督が置かれている危機的状況について話を聞く。映画監督の給料は歩合制ではなく定額制なので、例えば行定勲の『セカチュー』がどれほどヒットしようが監督にはプラスαは一切入らない。だから、講義をしたりコラムを執筆すると金持ちになり、映画を監督すると貧乏になる。それが映画監督。ということらしい。なんともはや。「映画なんざ道を歩いてるそこらの人でも撮れる。この学校の生徒といい、本気で映画を作る気あるのか」という言葉に耳が痛い。

終了後、そのまま公開初日のマイケル・マン監督『コラテラル』へ。周りはほぼ全員カップルだったけど、映画はとても面白かった。めんどいから感想はブログに。劇中、トム・クルーズ扮する殺し屋ヴィンセントの、「いつか夢が叶う?ある日起きて、叶えるには年をとり過ぎてることに気付くだけだ。本気でやろうと思っていないから実現しないんだ。お前の人生は昼ドラを観てるうちに終わる」という説教が耳に痛い。ハリウッドにも昼ドラがあることが驚きだった。サントラが非常に良かった。買おうかな。

終了後、一旦家に帰って風呂に入りに行く。風呂屋のオバちゃんとちょっと言葉を交わした。とても嬉しそうに返してくれたので、僕も嬉しかった。

終了後、偶然にも東京へ来ていたヤスハラどんと合流して、某集まりへ。いかがわしいものはありませぬ。ビジネスです。でも、結果的に一人で暴走して映画の話をしまくっただけ。断片的に覚えているのは、『フォーンブース』の何がすごいのか、何故十億クラスの邦画が乱立しているのか、DVX100Aはいかに凄くていかに難しくて庵野秀明の『ラブ&ポップ』がどう革新的だったのか…。そんな話をマシンガンのようにひたすら語ってたような気がする。たぶんみんな引いた。ごめん。でも飯を奢ってくれたから彼らはとてもいい人たちだった。ごめん。

終了後、ヤスハラがうちに泊まりたいというので、二人で帰る。彼は来月から北海道らしい。きちんと働いている人たちの話は色々と面白いけど、自分の姿と照らし合わせて心が痛い。狭い部屋に寝かしてしまって申し訳がなかった。彼も飯を奢ってくれたからとてもいい奴だ。また遊びに来て欲しい。

10月29日

はいどうも。こんばんわ。煙草のオーヴァードーズで呼吸困難になりながらも、気がついたら次を咥えているという体たらく、僕です。シナリオ選考も終わり、不肖わたくし、今回は撮影部ということで頑張らせて頂きます。キャメラはパナソニックのDVX100Aです。100AのAはアドヴァンスのAです。DVXのDはDDのDです。嘘デース。

つーわけでね、本日は矢崎充彦監督に引っ付いて、東京国際映画祭へ行って参りました。渋谷はBunkamuraオーチャードホールにて高村薫原作、平山秀幸監督の『レディ・ジョーカー』のプレミア上映を鑑賞。タダ観っていいねえ!いや、製作サイドには申し訳ないけど。ちなみに、原作は13ページほどでダウンしました。早すぎ。

上映に先駆けてキャスト・スタッフの舞台挨拶もあったのですが、まずはじめは何故か4弦楽奏による『レディ・ジョーカー』のテーマ曲の演奏。大作感溢れるスリリングな楽曲もといごく微妙にハンス・ジマー入ってたような。すでにしてハンス・ジマーは大作映画音楽のワールドスタンダード。『ローレライ』ほど露骨ではなかったけど。まあ僕の耳が何聴いても彼の楽曲に聴こえるほど崇拝してるっていう点も否めませんが。まあいい。そして、いよいよ舞台挨拶。平山監督をはじめ、「21世紀の裕次郎?」こと徳重聡、「レディ」役の斉藤千晃、そして長塚京三…あれ?渡哲也がいない…。な、何で…?もしや製作側と何かあったのでは…?という恐怖を感じるほど、この驚愕な展開。疑問符を浮かべながら一通り挨拶が終わったところで、司会の妙にもったいぶった「それでは…」という言葉に引き続き、主演の渡哲也登場!なッ…!二段構え!?こんな舞台挨拶見たことねえ…!さすが渡哲也だ!すげえ持ち上げっぷりです。しかして、生で聞いた渡哲也の声は喉にウーファー付いてんじゃねえのか?というくらい、迫力あるバリトンヴォイス。この声で「おい、金出せや」とか言われたら、失禁しながら貯金を全額引き出してしまいそうですよ僕は。今回の舞台挨拶は通訳者が付いて、発言を逐一英訳していたのですが、渡哲也がちょっと間を置いた隙に英訳が始まって次の言葉を遮ってしまったときは、「ああ…この通訳者死ぬわ…」と誰もが思ったはず。渡の兄貴はそんなことしないけど。

まあそんなわけで肝心の映画ですが、正直言うと、もはや刑事役の國村隼が目当てだったと言っても過言ではなかったのですが、観てみるととんだ大穴が!そう、誘拐犯「レディ・ジョーカー」のひとり、半田刑事役の吉川晃司です。やばい。渋すぎ。この映画の主役は半田です!徳重扮する合田刑事が実直であるほど、逆にアウトローな半田が光るというこのパラドックス。警察組織にいながらも自分の居場所に戸惑う半田。眠たげな目をしながらせせら笑う半田。在日の銀行員役の吹越満に「お前の方が朝鮮人ぽいよ。目ェ細いし」とか言われちゃう半田。競馬場で片肘付きながらラーメンを食う半田…。この映画の主役は半田です!お目当ての國村隼も、大杉漣より出演場面が多いという状態で満足。ああ、國村準カッコいいなあ。『ローレライ』も國村準が目当てだと言う点が大きいというのは内緒ですが。原作では彼の扮する時岡医師に泣かされたんで、映画版も彼の頑張りに期待していますですよ。渡哲也?カッコよかったですよ。でもこの映画の主役は半田です!

まあその点は置くとしても、役者陣が非常に光った演技をしているので、観てて飽きさせない出来でした。さすがにあのぶ厚い原作を2時間で語るのは厳しく、ところどころに編集がギリギリな点が見受けられたり、原作本来の主人公である合田刑事の影が微妙に薄かったりという部分はありましたが、キャストの自然体の演技がそれをカバーしていました。『回路』以来、僕の中で鬼門俳優に位置している加藤晴彦も悪くなかったし。ただ、岸辺一徳だけは「何故飛ばないのか」という点がひっかかり気味でしたが。まあ、何はともあれ面白かったですよ。単に映画的な大仕掛けだけじゃなくて、そういう部分にも目が行くようになったのが、映画学校に入って良かったことのひとつですな。というか、この映画の主役は半田です!

10月27日

これ欲しい。とりあえずCalmのリミックスとJazzanovaのリミックスはやばいっす。聴いてみたい。`島邦明ミーツCalmか…。世の中変わったもんだ。

私信。4日の方向で。

ああ、シナリオ終わらん!うわー。

うああ、シナリオ終わらん!!うわーい!

10月26日

雨の中一日中バイトして、帰ってみたら駅からチャリ撤去されてた。おおおおのれぇ!おのれ…えーと…誰?都?区?まあいいそんなことは。人が汗水たらして働いている間にライフラインを潰しにかかるとは、なかなかワルだなコノヤロウ!まあでも、以前盗まれて帰ってきた初号機はまだ健在なんで、しばらくは移動には困らないけどさ。ここ半年近く乗っていて、撤去をうまくやり過ごしてきたのに…。いつも月の中ごろにやるんで、ちょっと油断していた隙にー!それにしても、撤去費用が3000円て…。痛すぎ。人がコツコツ節約しようとしてるのに!この前は、新しく買ったLEDをたった1時間で盗まれたし!貯蓄とか慣れないことをすると、倍返しで出て行くこの有様!酷い。何か邪悪な意思的なものすら感じるし。もういい!寝る!…わけにもいかず。徹夜でシナリオ書き直さないと…。ああ…。

10月25日

先日のお土産の干物とイカを焼く。フライパンで焼く。

こういうときは本当に冷蔵庫が欲しくなります。さすがに常温はヤバいので、発泡スチロールに買ってきた氷を詰めて保管してますが。生ものが危険な時期は去ったとはいえ、まだまだ昼間は暖かくなったりするからね。で、焼いたはいいが、もうものすごい煙。換気扇とかないからこの部屋は。部屋が霞んだ。慌てて窓をすべて開け放ち、隅に置いてあった扇風機で煙を追い払いましたが、どうにも部屋が煙っぽい。今日はそんなに寒くなかったからよかったけど、そこはかとなく磯の匂いが…。これでは猫が喜んでしまうよ。でも干物とイカは大変においしくて本当に良くて本当に。ビールが無性に欲しくなりました。でもまだ5枚くらい残ってるんだよなあ。もったいないから明日からしばらく干物で食いつなぎますが。お魚天国。

ポール・ニューマンとロバート・レッドフォード主演の『スティング』を観る。今更ながら。確かずいぶん前にBS2でやっていたような気がするんだけど、そのときは途中からでしかも結末を観てしまったような気が。まあそれでも、大変楽しく観れましたが。脚本がいいのはもちろんですが、やはり主演の2人が格好いい。いい俳優というのは普遍的な良さがあるものですな。なにより詐欺のプロフェッショナルというモチーフが個人的にツボです。僕は昔からプロフェッショナルという響きに弱くて、それというのも、ガキの時分に西岸良平の『夕焼けの詩・三丁目の夕日』という漫画の1巻「プロフェッショナル列伝」を読んで、えらく影響されたからなのです。この巻に出てくるプロフェッショナルたちは、大工やおもちゃ屋などのごく普通の職業の人々。しかし、みんなそれぞれに精通した技を持っていて、それが時代遅れになったりして一度は挫折するものの、己のプライドを賭けて挑戦し続けるわけですよ。まさに『スティング』でいうところのポール・ニューマンですな。ここでは彼に弟子入りするペーペーの詐欺師だったレッドフォードも、『スパイ・ゲーム』では経験を積んだプロのスパイをやっていたりして時代を感じさせます。久しぶりに見た彼はものすごいシワシワになっていて、激しくショックを受けましたが。いやまあ、それはそれでいい味出してるんですがね。

10月24日

地震凄かったようですね。メディア制限されている我が家では、世間一般の人々より情報が遅い…。まあ、新潟出身のおまつり。さんのご家族は何事もなかったようでなにより。ていうか、僕自身が実際に感じた揺れは、昨日の帰りの中央線車内一回きりなんですが…。東京も結構ゆらゆらきているようなんですが、全然感じない。鈍いのでしょうか僕は。ちなみにその一回のときは、同じ車輌にジジババの集団客が乗り合わせていて、ぐらっと来た瞬間、前に座ってた婆さん2人がものすごい素早さで同時に立ち上がったりしていた。両手にお土産の紙袋を持って。仲間のジジババのことは完全に見捨てモードだったねアレは。友人は見捨ててもお土産は放さないその根性!天晴れ!あと、今僕の部屋で地震がきたら間違いなく本棚の下敷きです。でも助けが来るまで本を読んでいられるから安心ですね。本棚の脇には昨日もらった干物もあるし。

昨日の帰りに買った『ツイスター』のDVDを観てたら、エンドロールのセカンドユニットの監督/撮影監督に『バイオハザードU』の監督アレクサンダー・ウィットの名前を発見。何だかちょっと嬉しい。や、特に意味はないけど。

バイトに行ったら、旅行の疲れもあって激疲れました。死にそうです。なので今日はもう寝ます。

10月23日

昨日から一泊二日で、福井晴敏オフィシャルサイト主催「福井晴敏と行く映画『亡国のイージス』撮影見学ツアー」なるイベントに行って参りました。22日の夕方、学校が終わってからコージさんと合流、新幹線で静岡まで。疲れた!

その日の夜は、宿泊先の静岡市で飲み会。もう何度もオフをしているので、大半の人が顔見知りだったりする。僕の後ろ隣に座っていた人は知らない人だったのだけど、自己紹介を聞いてみたら『戦国自衛隊1549』の脚本家の方だった。下手なことを言う前で本当に良かった!近くに座っていた、テレ東で「ガイアの夜明け」とかの編集をしている方と3人で、宴会そっちのけで『戦国自衛隊』のシナリオ展開とかを聞かせてもらったりして、なかなか面白かった。後でふらりとこちらの席へ立ち寄った福井氏からは、いつものように製作中の映画やら小説やらゲームやらのことを根掘り葉掘り聞き出したけど、例によってほとんどオフレコなのでここでは言えませぬ。

翌日、再び静岡駅に集合して、ロケバスで映画の舞台となるイージス艦<いそかぜ>のオープンセットへ。ロケバスの車内では、福井氏本人による景品つきビンゴゲームまで!何というファンサービスでしょうか!しかしながら、何を隠そう僕は「穴はボコボコ空くけど絶対にビンゴにならない」という特技を持っていまして、その例に漏れず今回も7リーチという恐ろしいまでの非的中率を打ち立ててしまったわけで。これは氏も予想外だったようで、結局「ビンゴにならなかったけど景品をあげま賞」という寛大な心によって、僕も景品をゲットしたわけです。は、恥ずかしい!中身は『亡国のイージス』の校正用原稿数十ページと、直筆サイン入り「市ヶ谷カレー」!カレー!?しかも「握(←まちがえた)美も大好き!」という、世にも恐ろしい小説家本人による、登場人物の誤字入りメッセージ付き!すげえ。

バスで移動すること1時間、ようやくセットに到着。現場ではアホのように写真を撮りまくったりして、本当にただの野次馬と化していたわけですが。スタッフに申し訳ない。現場に着いたら、いきなり真田広之が!僕が大学のときによく演劇を手伝った友人は真田広之に似ていたのですが、実際に本物を見たとき「なんで奴がここにいるんだ?」とか間抜けなことしか思いつかなかったりして。というか真田さんに申し訳ねえ。友人の方はダメ人間なので、いまだに大学生をやっているしね。

オープンセットの写真。携帯で撮ったから、あまり写りがよろしくないのが残念。クリックするとちょっとだけ大きくなったりする。

   

左から、まず甲板。右下にちょこんと写っている黄色いジャケットの方が、原作者の福井氏。現場のどこへ行っても神のように崇められていた。当人は全然偉そうではなく、すげえいい人。次がブリッジ側面。結構頑丈そうに見えて、実はベニヤ製モックアップだったりするので、押すとべコリという。メインマスト。ここに来る前まで、あの上で真田広之と中井喜一による格闘が繰り広げられていたらしい。「俺のミキプルーンを喰らえ!」。赤いのは<いそかぜ>謹製浮き輪。<いそかぜ>は、もともと原作では<はたかぜ>型の旧式護衛艦にミニイージスシステムを搭載したフラム艦という設定だったのが、映画では完全なイージス艦ということになったらしい。大学時代のうちの教授が首をかしげそうな予感。映画ですので気にするな!   

   

左からハープーンミサイル発射台三連発。台風22号のときはミサイルどころか発射台自体がすっ飛んで行き、他人様の民家の庭先に着弾したらしい。人や建物に当たっていたら映画自体が吹っ飛んでいたかもしれないという、破壊力抜群の代物。近代兵器とはかくも恐ろしいものだ。改めて戦争の恐ろしさを実感したりとかは特になかった。右端はブリッジ近影スパイ1レーダーのレドーム(間違えた!不勉強ですいませぬ!)。端に写っているオバQの頭みたいなのが、イージス艦の根幹を成すフェイズド・アレイ・レーダー。…たぶん。近代兵器の技術の塊だが、見た目は完全にオバQ。   

   

左端は殺人現場…ではなく撮影現場。ちょうど来たときに撮影していた、<いそかぜ>水雷士・風間雄大三等海尉による、上部甲板からの毒ガス兵器ナイスダイビングキャッチによる賜物。スタントの人がビル2階分くらいを本当にダイブしていた。原作の彼はヒステリックで「テッパチをかぶると頭がキノコのよう」とかだったのに、映画では爽やか美青年になっていた。小滝P曰く「この艦にはハンサムしか乗りませんから」。もう僕が乗っちゃったけどね。隣は中井喜一扮する、ヨン様こと対日工作員ホ・ヨンファの衣装。ホルスターにはUSPが。原作ではブローニングだった様な気がするが、映画ですので気にするな!その隣は彼の銃撃によって破壊された、艦橋司令部の窓。なんて悪い奴だ!美術部さんの気持ちを考えろ!最後は小滝Pと阪本監督の記者会見の模様。誰が誰だか分からんね。阪本監督はすげえかっこよかった。

本日は見学者が多く、防衛庁記者クラブによる取材だとか、地元の市民の見学ツアーだとかがひっきりなしに訪れていた。セット見学の他にも、如月行役の勝地涼と集合写真を撮ったり、やたら豪華なロケ弁を振舞われたりと、逼迫した映画の現場とは思えぬ歓迎振り。帰りには、オフィシャルTシャツと、なぜか干物7種類詰め合わせセットなるお土産までいただいたりして。つまり…つまりこれは、「『亡国のイージス』の現場はとても感じが良かったです!」という口コミを狙った宣伝戦略…?なかなか考えたようですが、そんなことは当にお見通しだ!甘い!

というわけで、皆さん。『亡国のイージス』の現場はとても感じが良かったです!映画『亡国のイージス』は2005年8月6日公開予定ですよ!(宣伝)

10月21日

深夜は部屋が寒い。さすがに。風呂から出た後は上着がうっとうしいのでTシャツで行く。靴を履くのが嫌なのでサンダルで行く。しかしそれもそろそろ限界のようである。ときどきパンをくれる隣のおっさんは風邪をひいてしまったようだ。

ところで、世の中には「他人の話を聞かない奴」がいる。それはまあどうでもいい。僕だって、ここだけの話、眠いときや特に興味がない話のときはあまりよく他人の話を聞いていなかったりする。他人の話を聞かなくても「会話」は出来るのだ。「会話」とはすなわちリズムである。相手が話す。それに対し、ある種のリズムによって自分の話す順番を見極め、それに対してレスするなりまったく違う話題にシフトするなりするわけだ。まったりした会話ならまったりしたリズムで、ノっている会話ならノったリズムで会話が進行する。それによって「対話」が成り立つわけである。しかし、世の中には「他人の話を聞かない」ばかりか、「会話」ないし「対話」に至るリズムすら成立しない人々もまた存在する。ぶっちゃけた話、バイト先の同僚のことである。彼はまず最初の段階において話題を提供する。「昨日さあ…」という出だしではじまるようなアレである。それは全然問題ない。しかし、ある程度の情報が彼から提示され、その会話のリズムによってこちらがレスする番だと判断し、それに対してなんらかのリアクションをとり始めると、こちらの反応を一切聞かずに会話を続け始めるのである。仮に運良く最後までリアクションできたとしても、続けて彼の口から出るのは、こちらの提示した反応とは一切関係のない内容である。気の利いた言葉を返そうが納得して見せようが、一切お構いなしである。僕の後輩のstなどは最も苦手とするタイプではなかろうか。まあいい。とにかく、「対話」がし辛いのである。言葉のキャッチボールどころかボークである。投げられたと思ったボールは、実は彼の手の中に残っている。とにかく一方的なのである。それでいて、こちらが聞き役に徹しようとすると会話が続かなかったりする。しかし、実際のところそんなことは彼の人柄とは一切関係が無い。彼はいい奴なのである。とてもいい奴なのだ。

そういうわけで、今日の帰り道も彼と微妙に噛み合わない会話をしていたわけだが、なんと彼が僕に電気ヒーターをくれるという。電気ヒーター!電気ヒーターほど今の僕の生活に必要なものはないだろう。彼の元カノが部屋に置いていったものだという点が多少気にはなったが、電気ヒーターの出自など別にどうでもいい。とにかく、隣のおっさんのように、酷く咳き込みながら飼い猫に話しかける、ということにさえならなければよいことだ。なにせ僕は、風邪をひいても話しかけるべき猫を飼っていないのだから。そのことから分かるように、「他人の話を聞かない」かどうかということと、彼がいい奴なのか悪い奴なのかということは一切関係が無い。彼はいい奴だ。「対話」が成り立たなくても、少なくとも話しているだけで彼がいい奴なのだということは分かるのだ。それでいいではないか。しかし、結局彼との対話に上手いタイミングを見つけ出せないまま、僕が彼に「ありがとう」を言えたのは、結局僕が乗り換えのためにひとり電車を降りた後だった。

10月20日

台風のなかチャリで登下校するのはやめよう。命に関わる。

さて、給料日ですヒャッホウ!助かったー。危なかったー…。

とりあえず一時的な補給により経済は持ち直しましたが、もういい年こいて給料日前に死にそうになるような生活は改めないと。今月はバイト日数少なかったから、来月は実入りがヤバそうだしな。というわけで、今日から節約生活を始めます。手始めに飯!山岳部で鍛えた御手軽激貧メニューを今こそ!最近のトップメニューは「サンマの蒲焼丼」です。まず、ご飯を炊きます。そして、ネギを切ります。さらにそれをフライパンに入れ、そこにサンマの蒲焼の缶詰をばーっと。チャチャッと炒め、出来上がったネギサンマ炒めのようなモノをご飯の上に乗せれば出来上がりです。超簡単!山では時間との勝負ですから!ここは山ではないが!まあ見た目の割りに、ネギでサンマの臭みが中和されたソレはなかなかいける代物です。いかんせん冷蔵庫もレンジもまな板すらも無いような生活ではね、このサバイバル技術に大変御世話になっとるわけですよ。ちなみに食器も山岳部時代のアルミコッヘルを活用してます。屋根もパソコンもあるのに、食生活は漂流民のようです。これは…果たして節約とかそういう以前に、文明人としてどうかと。まあいいけど。

まあそんな生活するくらいなら、台風の中『ダイ・ハード2 アルティメットエディション』のDVDとか買うなよ、と。

10月19日

『MGS3』をやりた過ぎるあまり、シナリオ執筆がまったく手につかない今日この頃、皆さんはいかがお過ごしでしょうか?僕はだるいです。風邪ではありませぬ。怠惰によるものです。

バイトも学校も、忙しいときは休みクレ休みクレと連呼しておりましたが、いざ休みになるとやることなくて参ってしまう。定年迎えたサラリーマンもこんな気分なのでしょうか?僕は定年を迎えるどころかまだ就職もしていないわけですが。金も無いから映画も観れないし…ああ…って、僕の生活はバイトと学校と映画だけなのかいな!?…まあほぼその通りなわけだが。

戦車もヘリも本物!「戦国自衛隊1549」ロケ現場は空前の迫力

というわけで、『戦国自衛隊1549』の記者会見があった模様。同じ福井晴敏原作『亡国のイージス』といい、いちいち「本物本物!」と連呼しているわけですが、確かに本物ならではの迫力が出せるのは事実としても、必ずしも映画の中で「リアル」である必要性はなく、むしろフィクションであっても「リアリティ」さえ描き出せれば成功と言えるわけで。むしろ「リアル」の上に制作者がでんと腰をすえてしまって映画的なカタルシスが犠牲になることの方が怖かったりします。しかしまあ何というか、写真キャプションに「天雲城の前に並ぶ手塚監督(左端)、出演者ら」とか書かれても、豆粒ほどの顔では誰が誰だかわからんよ。見た感じ、鈴木京香は髪をバッサリ切ったみたいだけど、江口はなんとなくロン毛に…見えるような…。いいのか?

ヤン・デ・ボン、新作の主役は巨大ザメ

めぐタン(*´Д`)ハァハァ…ていうか!なぜ失敗する可能性の高い海モノに手を出すかなボンは!しかも今さら巨大ザメて!『スピード2』で懲りなかったのでしょうかボンは?海モノは恐ろしいですよ。『ウォーターワールド』でケビン・コスナーのキャリアを白紙にし、『スピード2』でアクション映画の俊英ヤン・デ・ボンをその座から引きずり落とし…。そもそもこの原作って、僕が高校生の頃に「スピルバーグ映画化決定!」という帯付きで発売してたような…。まあ程よいB級映画になってくれたら、それはそれで。

クリストファー・リーブ、死去

52歳かあ…まだ若いのに…。超人短命ということなんでしょうか?車椅子でも出演し続けた、本当のスーパーマンでしたよ。ご冥福をお祈りします。

ジョン・ウー、人気フィギュアシリーズを映画化

な…!え…?

10月18日

リライト

をしております脚本の。なかなかままならぬもの。割と精一杯で作り上げた部分てのは、妙に愛着があって捨てられなかったりします。作品の構成的には、一歩引いた観客の視点で見るべきではあっても、同時に今の段階では自分なりの持ち味とか自分の感情とかを出していかなくてはならぬというこの状態。基本的に僕の出発点というのは「純粋に面白いものを作りたい」というところにあるわけで、ともすれば作品をひっくり返すほどの情熱とか感情というのはあまり無かったりするわけで。まったく無いわけではないけれども、そういうのはあまり作品の前面に出していきたくはないんですよ。観客の視点に立てば、やっぱり物語があってこそであり、作家の持つ根源的な部分というのは一番重要なところにそれとわからぬように潜ませておくべきであるという持論に従えば、やはり作家性みたいな部分に歪が生じてくるもんなんだろうなあ。よくわからんけど。

ジレンマ

を感じる。煙草の本数ばかりが増える一方で、健康と精神によろしくないことこの上ない。

実際のところ、主人公が女子高生という部分は、作り手である僕の経験の引き出しにはない部分であり、男子高生の方がいいんちゃうの?という指摘には重々承知すべきところはあるわけですが。それでも今まで男を主人公にしてきた自分としては、映画監督として新しい領域に手を出してみたいわけであり。自分の理想とするところと、自分が今できることと、周囲が求めるところの温度差というものを感じたりする。何というか、自分の持っている映画に対する概念に対して、自信が持てなくなってきているんだと思う。それはたぶんきっとマズい。と思う。

というわけで、久々に会った火消しの友人と飯を食いながら、もとい飯を奢ってもらいながらそういう話を延々としたわけですが、いろいろアドバイスを頂きまして本当にどうもありがとうございます。今日の日記は愚痴まがいの自己弁論に終始していてなんだかなあ。まあいいや。日記だし。

10月17日

休みでございまして、昼まで寝た後、洗濯をし布団を干し部屋の掃除をしたら休みが終わりました。はい、いつもの通りです。いつもの休みです。うああ…。

最近日記の筆が進まないのは、シナリオでさんざ文章書いてウンザリしているからという説もあったり。なむなむ。

くわー!いつか来るとは予想しておりましたが、ついに…ついに来てしまった…!5.1chうんぬんよりも、スタッフ・キャストのオーディオ・コメンタリーが気になるところではありますよ。ああ、どうしようかな。4万という値段に正直迷ってたんですが、アマゾンで1万円近くも値引きしているのを見ると…。12月23日か…サンタさんにお願いしようかな…。

しかし、今月から年末にかけては、『AC5』『MGS3』と欲しいタイトルが目白押し。金の無き身としては、誰を生かして誰を殺すか…(吉井さん風に)。『MGS3』は前作に引き続き、オープニングタイトルはカイル・クーパー、音楽はハリー・グレッグソン・ウィリアムズが担当する模様。音楽は、トレイラーで観た感じ、まんま90年代のハンス・ジマー。映像も格段に進化していて、動きだけではもう実写のごとき滑らかさですな。『AC5』といい、なんかもうそこらの邦画よりも、ゲームの方が映画的映像表現に対して前向きというか貪欲というか…。下手な芸術性とか現実性は置いておいて、「俺はハリウッドみてぇなのがやりたいんじゃあ〜!」という娯楽に対するシンプルなスタンスが好きです。逆にアニメーションなんかは、今まで金のために仕方なく「オタク向け」の娯楽に徹せざるを得なかった制作者が、近年の追い風を受けて下手に作家性を出し始めちゃったりしてるような。作品そのものよりも、作家の顔が前面に出て偉そうに語りだすようじゃあダメになる一方ですよ。O友さんとかO井さんとかA野さんとかのことですよー。そういうのは小声でこっそり潜ませておかないと。

10月16日

さて、今日はバイトも無く(というか1週間ほどシフトが入っていなかった。何かしてしまったんでしょうか僕は?)学校でこのたび開講した「コンテンツプロデューサー養成講座」へ行ってまいりました。いやね、映画監督になりたいのは山々ですがね、色々と予防線は張っておかないとね。タダだし。で、今日の講師は、現在公開中の映画『恋の門』などの製作会社、アスミック・エースの代表取締役会長・原正人氏。『戦場のメリークリスマス』やら『リング』などのプロデュースを手がけた敏腕プロデューサーです。まあ2時間そこそこの講義なんで、黒澤明の『乱』ではこんな失敗をした、だとか『戦場のメリークリスマス』ではこんな発見があった、といった話が中心でしたが、一番興味深かったのは作品企画のプレゼンの方法。企画のプレゼンは製作のみならず監督の仕事としても重要ですからね。面白かったけどめんどいので書きません。本人に聞いてください。

すげえ長い日記を書いたけど、全部消した。内容はほぼ「ダイハード トリロジー」というゲームのことなので、僕が何を言わんとしたか知りたい人は、買ってプレイしてください。多分分かるから。

10月15日

ううむ。むう。難しい。頑張ってみるよもう少し。うん。

新宿で、先日観れなかった山下敦弘監督『くりいむれもん』を観てきました。レイトショーなんで9時まで待たなくてはならず。山梨にいたときは、電車の関係で時間が無くて、店を駆けずり回ったりしていたもんですが、いざ近くに住んでみると、今度はどうやって時間を潰していいものかと。友達と別れてフラフラしているときに、客引きのにーちゃんに付きまとわれて、2万の部屋に住まなくてはならんほど貧乏の僕に何が出来よう、という旨を話したら、そのにーちゃんは寮住まいでもっと貧乏だと笑っておりました。客引きの人の生活など考えたこともなかったわけですが、こういう些細なことが何となく面白かったり。

で、映画。妹役の村石千春の唇が異様にエロくてよかったんですが、脚本がどうにもこうにも…。うーん。メインのストーリーラインはともかく、所々に挿入されるエピソードの意味が分からん。それはそれで雰囲気があるんですがね、意味が分からん。まあ村石千春がエロかったからいいけど。あと、妹の担任教師役の小沢和義が妙に嫌な感じで大変によろしかった。しかし…台詞とか脚本がなあ…なんかダメだわ。僕は。むしろ劇中テレビで流れていた、潜水艦映画と思しきハリウッド映画の方が気になったりしてしまった。

10月14日

昨日の日記は酷いな…。いや、すべて自分の不手際によるもんなんで。酔ってたし徹夜明けで脳味噌死んでました。正直スマンかった。

というわけで、今日はバイトでして、!!!寝坊しましたー!!!ぐわあ…ダメダメだこいつダメだ。いやね、昨日も友達と飯食いがてら一杯(カシスウーロン)飲んでしまってですね、正直回りが異様に早くてよく覚えてすらいないんですわコレが。おぼろげながら、目覚ましを止めたような記憶があるようなないような。しかし起きてみたら予定の出発時間を1時間も過ぎてましてね、バイトには45分ほどの遅刻をしてしまいまして、申し訳ないことこの上なし。ああ…。昔は徹夜くらいなんともなかったんだけどなあ…年かなあ…。

という感じでバイトだったんですが、立っている間に神様が哀れに思ったのか降りてきて下すって、バイトしながらなんとかシナリオ完成。頭の中で。ありがとう神様神様ありがとう。で、忘れないように何度も頭の中で何度も再生して、家に帰ってから速攻書き始めて、どうにか現実世界でもシナリオ完成。イエー!シナリオ系分室の方にアップしてありますので、まあ暇で暇でしょうがないという方は読んでみてください。でも恥ずかしいから何も言わないで、そっとしておいてあげてください。

ていうか、よく考えたらコレ長過ぎ。もっと削らねえと10分以内にならないのでは?どうしたものか。

そういえば、バイト先を使って、ドラマ『黒革の手帳』の収録をするらしい。夜の10時過ぎらしいんですが、それでは当日バイトのシフトが入ってたとしても、仕事は終わってますがね。米倉涼子は極めてどうでもいいのですが、釈由美子が来るのなら居残ってでも見に行きます。ギバちゃんはまあ、見たいかって言われたらどうでもいいのですが、津川雅彦が来るのなら居残ってでも見に行きます。津川雅彦が釈ちゃんにあんなことやこんなことをしてしまうのなら、DVX100Aを持って見に行きます。釈ちゃんと津川だけはガチ。

10月13日

昨日は、夜になってコージさんからお電話がありまして、2人で軽く飲みに行く方向に。なぜ自分的にゴーが出たのかわかりませんが、まあひと段落つきましたらば夜中の3時。そっからもそもそとシナリオを書き始めまして、登校時間ギリギリまで書いていたら集合時間に2分遅れて置いてきぼりを食ったり。今日は赤坂にあるパナソニックのDVワークショップスタジオ・DUでDVX100Aの実践的なポストプロダクションを見学する予定だったのですが…周りを歩けども歩けどもみつからねえ…!交番に泣きついても番号案内に電話しても、みな口をそろえて「そんなものは存在しない。すべてお前の夢なのだ」という感じでして。本当に夢なんじゃないかと思い、あきらめて帰路についた所、間の悪いことに駅に着いたときに電話があり、赤坂見附の駅に迎えに行くから出席せよと。というわけで再び地下鉄に飛び乗り、無事午後から出席したわけですよ。徹夜に加えて行ったり来たりでウンザリでございまして。しかもスタジオは探しているときに何度も前を通った場所にあったり。絶対わかんないっすよ!看板も無し、入り口も畳一畳くらいの大きさだし。まあそんなわけで、たどり着くまでずいぶんと苦労したわけですが、さすがはDVX100Aの開発者たちの砦というか、DVXに関するあらゆる知識と装備が詰まっていまして、大変に面白くてかつ徹夜明けで眠かったのでした。

とまあ本日の日記は朦朧とした頭で書いているので、自分でも何が何だかわからないのでありますが、まあ許してあげてください。ちなみにシナリオはまだ未完です。ヤベー。

10月12日

今日は久しぶりに学校もバイトも休みだったので、ゆっくり寝坊。起きたら昼過ぎ。寝過ぎ。だるーい。

以前友人に付き合ってチケットを買った、山下敦弘監督『くりいむれもん』を観に行こうと思ってたら、今日はやらないらしい。間の悪いことこの上なし。昼飯を食いに近くの中華料理屋へ行く。僕はここの肉野菜炒め定食が好きである。小金があるときは飯を考えるのがめんどくさいから、大抵ここへきて肉野菜炒め定食を頼む。肉野菜というか野菜炒め及び肉といった割合であり、もやしの占める位置あいが非常に大きい代物。しかもそのもやしの異常に多い野菜セットは、隣のファミリーマートに売っているひと袋200円くらいの簡易野菜炒めセットに酷似している。しかしながら、塩コショウしかしていないんじゃないかと思えるその味付けは、なぜか妙に癖になる味で、気がつくとまた食べたくなっていたりする。まあどうでもいい。雨で気分が乗らないので、帰ってからもだらだらとパソコンに繋いだコンポでアンビエント系のネットラジオを聴いている。普段はあまり気にしていない僕のコンポの音質だけど、こういう妙にダルい時に布団に横になって聴いていると、やけに音がよく聴こえる。さすが10万で買っただけのことはあるね。たまにしかそれを実感できないのではあまり意味がないけど。

今日はシナリオを書かなくてはいけない。なぜなら明日提出だから。プロットというか大まかなあらすじ的なものは頭の中に出来上がっているけど、最初の一文字がなかなか書けない。そこを突破すれば後は何となく書けるんだけど。たった一文字が一番の難関である。それというのも、イメージとして構築された物語が、実際に文字になって現実化した瞬間、それは絶対にイメージしていたものとは違うものになってしまうからだ。僕は極めて慎重派である。頭の中で何度もイメージをリフレインし、新しいアイディアをイメージに取り込んでみて再構築を繰り返し、しかし頭の中だけでは絶対納得するものが出来ないからぎりぎりまで粘る。そうやってるうちに早く書けばいいのにといわれるかもしれないが、前にも言ったとおり最初の一文字が一番の難関なのだ。端的に言ってしまえば、イメージが自分の手によって崩壊するのが恐ろしいのである。頭の中では曖昧にしてぼかしている部分を、現実化したときには文字という絶対的なものにしなくてはいけないのが怖いのだ。でも、書くということはそういうことなのだから仕方ない。そういうことの繰り返しで、結局僕はまだ最初の一文字に手をつけられないでいる。

10月11日

バイトでなんかもう嫌になるくらい疲れてまして、その疲れた体を引きずって銭湯に行ってきました。で、浴槽を見たら…なんか!なんか色ついてる!湯が毒々しい緑色に…!これはいったい?どうしてこんなことに?テロか?しかし、明らかに昇天間近と思しき老人が心地よさげに入っているので、僕も負けじと浴槽へ。こ、これは…(・∀・)イイ!ね!なんかこう、薬草のようないい匂いがふわーっと。これは…ヨモギ?ヨモギだ!ヨモギ湯の日だったのかー。効果のほどは知らないですが、なんかこう、疲れも一気に吹き飛ぶようで、大変よろしくて本当によくてどうも。どういうわけか、ヨモギ餅が食いたくなってきましたよー。とまあ、なんか得した気分で風呂を出ると、そこにあったポスターには「10月11日ラベンダーの湯」との文字が…。…ああ、ラベンダーね…。確かにラベンダーだったうん。マジラベンダー最高。…。

風呂に入ってるとき、5、6歳くらいと思しき男の子を連れた親子が入ってきました。もう夜の11時半ですよ。僕が小学校くらいのときは、8時には布団に入っていたような。9時まで起きていたら夜更かし、小学校6年のときに、テレビでやっていた『レイダース』を観るために初めて10時過ぎまで起きてて、それでも眠くなって最後まで観れなかったという子供でした。うーん。こんな時間まで起きてるのか最近の子供は…。それとも親がアホなだけでしょうか?今日もバイト先で、3歳くらいの女の子をほったらかしにして、延々1時間以上喧嘩してる夫婦とかいたし。子供バイクに轢かれそうになってたし。あと、歩道にウンコ座りしながら煙草ふかして、子供に煙はおろか煙草の火まで触れそうになってるアホ女とか。大丈夫なのかこの国の親は…。江東区民でマトモなのは、一部の老人と子供だけ。それでも子供はかわいいもんで、警備してる僕にすごい笑顔で手を振ってくれたりします。でも、手を振り返す僕は、たぶんものすげえ不恰好な笑顔になっていたことでしょう。もう自然に笑うのとか無理。そういうのって、長い人生でどんどん出来なくなっきてるような気がして、ちょっと悲しくなったりしたのでした。

10月10日

眠い。

バイトの帰りにですね、地下鉄の駅にある看板を何気なく見ていたらですね、なんと家から自転車で5分くらいのところにブックオフがあったではないですか!全然知らなかった!いつも出入りしてる入り口の反対側にあったもんで、気付かなかったとですよ。ていうか気付けよ!何のために今まで必死こいてチャリで中野のブックオフまで行ったりしてたのかと。アホかと。灯台下暗し。暗すぎ。でも、これからバイトの帰りとかに立ち読みしに行ったりできるね。でも、他の店に比べて店員の宣伝掛け声がウザかった。声枯れてたし。「ゲームソフトただいま値下しておりまーふごッ」とか言ってむせて本を床にばら撒いてたりとかしてたし。声出す前に商品くらい大切にしろと。まあいいけど。ブックオフのバイトも大変だね。

というわけで、2階の雑誌コーナーにあった「スタジオボイス」をまたまた購入してしまいまして。やばい。置き場がやばい。こっち来てから、過去号だけで累計20冊以上買っちゃってるしなあ…。でも、過去の特集を見てると非常に面白いのですよ。95年10月号ではインターネットの特集をしてるんですが、HTMLの説明とか「草の根BBS」なる単語がコラムで真面目に語られてたり、紹介されてるBBSが年会費3000円とかだったり…。もちろん2chやらネットショッピングなどはまだまだ夢の世界。折込の某PCメーカーの広告に書かれているスペックは、メモリ32MB・HD1.6GB・17インチモニタ付きで499,000円…。いやあ、恐ろしいもんです。なんかコラム自体も、著作権を「コピー・ライト」と書いてみたり、「メディアサウルス的なパラダイムをどうこう…」と、やたら難解な横文字に直したがる傾向があったりと、すげえ面白い。まさか、たった10年やそこらで小学生が携帯からアクセスするような時代が来ようとは、夢にも思わんだろうしなあ。しかし、これまた面白いことに、映画のコラムでは後に『ロード・オブ・ザ・リング』を監督することになるピーター・ジャクソンが『乙女の祈り』で取り上げられてたりして。デジタルコンテンツ特集号に、もう書かれているアドレスを打ち込んでも404しか表示されないデジタル媒体と、フィルムというアナログ媒体で1000億円を稼ぎ出した男が同時に載っているというのは、なかなかに皮肉なものです。

だからかどうか知らんですが、同じ文章でもネットなどのデジタル媒体より、やっぱり紙の雑誌とか小説とかアナログ的なものの方がなんか安心できるような気がします。まあそういうわけで、家に本が溜まっていくのも仕方ねえというか実は長い言い訳だったとかなかったとか…。

10月9日

風が吹こうと雨が降ろうと台風接近でもバイトでございますとも。酷かった。もうね、濡れたとか寒いとかじゃなくて痛い。雨が。容赦なく。鼻の穴とか耳の穴とか水入りまくり。溺れるかと思った。冗談抜きで。

映画『ヘルボーイ』がようやく公開。試写会に行ったのはずいぶん昔のような。敵の一人、「剣の人」ことカール・クロエネンがカッコよくて、アンケートにしきりに「剣の人がよかった」「剣の人が素晴らしい」と書きまくったら、公開ポスターでは敵方のボスであるラスプーチンを差し置いてど真ん中に配置されていたりして、非常によろしい感じ。しかし、どっかでみたことあるようなキャラだなあとか思ってたら、デザインボードに『BLAME!』の二瓶勉が参加してたんだった。剣とかまんまスチフだし。なんというか、嗜好があまりにも変わらないのでちょっとへこんだり。

サー・ショーン・コネリーが映画界から引退を考えているらしい(という憶測が流れているらしい)!マジか。理由は「回想録を書きたいから」だそうな。そんなもん、死ぬ間際になってから病院のベッドで書けばいいのに…(失礼)。このままだと、引退作は『リーグ・オブ・レジェンド』になってしまうではないですか!せめて、『インディジョーンズ4』に出てからにして欲しいなあ。あと、あのホラー映画の古典、『エクソシスト』の続編(というか前篇)、『エクソシスト・ビギニング』が制作されたようで。前作で悪魔と死闘を演じたメリン神父の若き日の姿を描くらしい。主演は…ステラン・スカルスゲールド!?おお…ステラン・スカルスゲールドが主演を張る日が来ようとは…!デ・ニーロの『RONIN』でメカ担当の工作員だったり、『グッド・ウィル・ハンティング』でインテリ肌の数学教授だったりしてたと思ったらいつの間に…。何気に渋い役者なんで僕は大好きなのですが…しかしまあ主演とは。監督は…レニー・ハー…レニー・ハーリン!?レニー・ハーリンが『エクソシスト』を!?なんてこった!なんでこんなことに?バイキングの血脈を受け継ぐあの爆発監督が正統派ホラーを…。なんて時代だ…。しかも撮影監督は、あの光の魔術師ヴィットリオ・ストラーロ!!あ…ありえない組み合わせだ…。すげえ…。ある意味すげえ観たくなってきましたよ!しかし、製作会社はいったい何を考えているのだか…。

しかしまあ、リメイク・続編ラッシュでついに名作『エクソシスト』にまで手を出してしまうとは。大丈夫なのかハリウッド?ネタの無さがいよいよ深刻になってきた感が…。

10月8日

すべての映画監督は2種類に分けられる。映像を描く者と、物語を描く者だ。…とまあ、映画監督富樫森氏の講義を受けた男からの受け売りなのですが、映画を作り始めるきっかけというのは、ほぼこのふたつに分かれるということです。まずはじめにイメージする映像ありきで物語を作る方法論と、物語を描くために映像を組み立てる方法論ということですね。前者は岩井俊二や行定勲、後者は溝口謙二や橋口亮輔などがあげられます。僕なんかはバリバリの前者だったりします。脚本を書くときも、まずキービジュアルから周辺の物語を構築していく手法です。これは一度イメージがぼやけると、物語そのものが破綻するという危険性を多分に含んでおり、なかなかに難しいところではあるのですが。僕はその辺の弱点を補うために講義を受けているという部分も大きかったりするわけです。しかしまあ、ある一定のレベルに達したものは、映像主義であれ物語主義であれ面白いわけで、その辺まで達するのが困難なのですがね。

というわけで、来週までにシナリオ書かなくてはなりません。頑張らな…。

学校が終わった後、高所恐怖症の男と元医師と3人で飲みに行くことに。僕なんかは半月前の懐具合が嘘のようにキュウキュウとしていたのですが、元医師氏のおかげで久方ぶりに惣菜でないものを食べることが出来ました。ありがとうございます。なんだかんだで、恋愛論やらなぜかハードボイルドの定義といったどうしようもねえ話題でちびちびと飲みまして。よく人から「映画とか作るなら恋愛のひとつもしなきゃだめだよ」とか言われて、僕としてはどうにもアレだったり。まあ確かに経験上そういうのも必要だと思うんだけど、そのために恋愛するっていうのもなんか違う気がするし。そういうのって、なるべきときになるものだと思うし、今は映画のことで精一杯でとてもそんなことに費やす気力がないという感じ。まあ逃げだって言われちゃそれまでだけど。というか、週3日学校4日バイトで、どちらも野郎ばっかりというこの状況でどうしろというのか。まあそういうのは気長にやろうと思いますです。

うーん。書いてはみたけど、ここで恋愛の話するってのはどうもしっくりこないな。まあいいけど。

10月7日

バイト。疲れがこう…首の辺りとか。ボキボキ鳴る。昨日の講義で撮影監督の長田氏が、「バイトなんかするな!映画を作りたいなら親のスネを齧れ!24時間映画のことを考えろ!」とか無茶なことを言っておられましたが、なかなかそういうわけにもいかないのが世の中ってもんで。「大学出たなら働かざるもの食うべからず」が我が家のスローガンなのでね。でもまあ、バイト中でも映画のことしか考えてないんですが。

来週の土曜日から、うちの学校でコンテンツプロデューサーの講義が開講するらしいです。コンテンツプロデューサーってのは、平たく言えば映画を売る人のことです。宣伝戦略とか、海外戦略、権利関係とかを専門に行う人のこと。日本で言えばジブリの鈴木敏夫みたいな役職を指すのでしょうか。講師陣が豪華で、韓国映画ブームの火付け役にしてシネカノンの取締役、李鳳宇をはじめ、ゴンゾの代表取締役、プロダクションIGの代表取締役など、映像制作企業の取り締まる人々が勢ぞろい。映画監督だと我が校の講師陣で東陽一監督、『私立探偵濱マイク』シリーズの林海象監督、『非バランス』などの富樫森監督といった面々。非常に面白そう。話が上手く進めばタダで受けられるらしいのですが、開講日が土曜なんですよね。バイトの日が一日削られてしまうわけで、そしたら生活ピンチなわけで。うーん…難しいよ長田さん…。

10月6日

ああ、困ったな…。こういうのは慣れてないんでニンともかんとも。ううむ。

猫が部屋に居座っております。いつも行く銭湯に居ついている猫ちゃんなんですが、今日は銭湯が休みの日なので、この辺まで遠征してきた模様。しきりに部屋の中を物色し、ティッシュペーパーやらタバコの吸殻まで食おうとする始末。だーかーらー食いもんはねっつの!あったら僕が食ってるよ!押しかける部屋間違いまくり。貧乏人の部屋に物乞いに来るなと。ああ、ニャウリンガルでこの思い(今お前が齧っているのは僕の上着だ!)を伝えられたらなあ…。ひとしきり歩き回り、何もないとわかると僕の布団の上でふて寝を始めてしまいました。僕はどこで寝れば?明日もバイトなのに…。

というわけで、今日はどうにも困り通しなのでした。ううむ。

わあ!地震だ!逃げてー!

10月5日

9月じゃねえ!10月だ!10月です。10月です!

ということからもお分かりの通り、プチ疲れ気味でございます。僕です。どうも。タイプミスだのリンク切れだの連発で顰蹙サイトになってしまいますね。ごめんなさい。今日も寒かったですね。僕は雨の中元気にバイトをしてきました。いつまで降る気でしょうかコノヤロウは。洗濯できねえ!

さて、昨日の日記で生活必需品がどうのこうのと書きましたが、その中のひとつに自転車のLEDがあります。今までは無灯火で知らん顔して乗っていて、50メートルおきに警官に捕まったりということもあったのですが、そんなことで懲りることも無くここまできたわけです。なぜ今になって搭載したかといえば、バイト中に突っ込んでくる無灯火のチャリが非常にウザかったからです。ああ、自分も今までこんなに迷惑をかけてきたのかーまあいいけどー、とか思っていた矢先に見つけたんで、買ってしまった次第です。1800円もしました。なかなか強烈な光を出す元気野郎で重宝していたのですが、連日の雨で思わぬ弱点が発覚!雨の中帰ってきた後、ライトを消そうとしたら…き、消えねえ!こいつ消えねえ!僕の制止も聞かず、点滅しまくりなのですよこいつ!暴走だ!LED初号機が暴走!…とまあそんなわけで、泣きながら買った自転車屋に駆け込んだら、店主から思わぬ一言が。「コレ、雨の中で使っちゃダメだよー」。な、なんだってー!水が中に入ると、漏電して点きっぱなしになってしまうらしいのですよ!幸い乾かしたらもとどおり使えるようになりましたが、これはそもそも視界不良の際に自己の位置を知らせるための道具。雨の日に使えなかったら何の意味があるというのか!ドラえもんの道具は欠陥品ばっかりだ!…じゃなくて。それからは、雨の日はきちんと取り外して(取り外せるようになってることの意味をそのとき知った)保管しているわけですが、夜のうちに降りだしたりとかしたら無意味じゃん!というわけで、今も僕の部屋にあるLEDは無意味にチカチカと光りまくっている所存なのでありますよ。超ウゼー。

あと、最近パソコンに不審なメールが時々届きます。企業広告とかじゃなくて、どうも私信っぽいやつが。「誰々ちゃんと海に行ってきたー」とか「友達とバーに行ってきたよ。お酒大好き。男も大好き」とか。知らんがな!なんだそれは!バイトと講義でどこにも行けない僕へのあてつけかコラ!?しかも全員違う人。な、何なのいったい!?しかも先日は、知らない人から「間違いメール来てますよー」と教えていただいて、内容教えてもらったら、どうも彼氏っぽい人が彼女にあてたメールらしく、「30分くらいで行けます。洗濯物ありがとー」みたいな。僕の洗濯物は全滅だったんで、明らかに違う人です。ウイルスでもないしイタズラにしては意味ありすぎだし、もうワケわかりません。怖ー。

10月4日

雨です。自転車で学校通うのがめんどい。風呂屋に行くのもめんどい。ていうかハーフパンツで風呂に行ったら、寒くて着く前に死ぬかと思った。これからの季節、もうちょっと考えないとなあ。僕の部屋には暖房が何もありません。エアコンなんて文明の利器も無ければ、ホッカイロすら無い。でも懐も寒いのでどうにもなりませぬ。バイト代で生活に必要なものを買い揃えてみたら、そのせいで生活が立ち行かなくなるというこの逆転ホームラン。だれか暖めてくださーい。

講義で先輩の実習作品『箱』を鑑賞。何度も引き合いに出した『月がとっても青いから』と同時期制作。誰にでも分かりやすい『月が〜』と違って、『箱』は「パンドラの箱」をモチーフにした断片的で難解な作品。でも、銀座の古いアパートやら、トンネルやら、壁に挟まれた細い路地やらといった退廃的な雰囲気のロケーションがかなりツボでした。個人的にはこういった難解な映画も『月が〜』のようなストレートな映画も全然OK。映画を作る者としては、好き嫌いは置くとして、出来るだけ広い視野で色々なものを許容する視点を持ちたいと思ってます。というか、僕としてはそういうスタンスなのに、いつの間にか爆破映画好きと認定されている点がはなはだ心外。爆破も好きだけどさ。どんな映画からもいいところを貰っていった方が前向きではありませんか?全て自分の血肉。映画でもそれ以外でも。

10月3日

バイトから帰ってきたら疲れてダウン。昨日に引き続いてホテルで法事とダンス教室があり、さらに雨だったので客がみんな自動車で来たりしたんで、地下駐車場は早々に満車。もうこれでもかってくらい大渋滞。やれやれ。

とまあ、ここまでかいたところでもう学校に行く時間です。やれやれ。それじゃ、行ってきます。

10月2日

バイト。帰ってみればもう22時半。疲れた。

本日はバイト先に併設されているホテルで、「数藤武司君の議長就任を祝う会」なるイベントが行われ、700人の酔っ払ったおっさんおばはん、列になって襲い来るタクシー、それとはまったく関係なく週末の夜を二人だけで過ごさんとするカップルといった面々を相手に戦い抜きまして。やれやれ。

そういえば、バイト先のテレビでジェームズ・キャメロンの『タイタニック』をやっていました。残念ながらディカプリオが登場する前に部屋を出ねばなりませんでしたが。101歳になったローズがヘリから降りるところまで。早ッ!サルベージャーのビル・パクストンしか見てねえし。まあ、この映画は公開当時に劇場で観たんですがね。恐ろしい体験でした。あれはそう、私がまだ高校生のとき…(ローズばあさん風に)。

…あれはマラソン大会が開かれた日でした。若かりし頃の僕は、どういうわけか30位以内入賞という快挙を成し遂げ、かなりハイになっていたことは否めません。だから、終わった後に部活の顧問だった男の「映画でも観に行くかー」という誘いにも乗ってしまったのでしょう。同行者は部活の先輩2名と僕。もちろん全員男でした。あのときの僕はそんなことにも気付かなかったのです。顧問の車に乗り込み、劇場へ。3時間強という長丁場の映画、当然時間が合うはずもなく、途中入場という僕の映画経験中でも稀なことをする羽目に。劇場に入ってみると、すでにタイタニック沈みかけてるし!マジか!どんどん人死んどるし!ディカプリオとケイト・ウィンスレットの関係も分からず、鬼の形相で追いかけてくる男の素性も分からず、僕の?も飲み込んで沈んでいくタイタニック…。しかしまあそれはそれで面白く、エンドロールまで観終わりました。さあここからが本番です。劇場が明るくなってみれば、「派手に沈んだぜヒャッホウ!」という気分の僕らを除いて、客はみな涙涙のカップルばかり…。居心地が悪いこと悪いこと。そんな僕らを残していい雰囲気の人々は劇場から出て行き、次に入ってきたのもやはりカップルばかり。顧問はひとり離れた席に陣取り、あまりいい席でないところに野郎3人で並んでいる汗臭い僕ら。しかも結末を知っている…。映画が始まり、やっと冒頭から観れたわけですが、ようやくケイト・ウィンスレットがナニモノで、ディカプリオがどんな男で、鬼の人がケイトの婚約者だと知ったわけですが、彼らの行く末を知っているのに楽しいわけがない!3人のうちのひとりはすでに一度通して観ていたので、皿が落ちるところをスローで何度も見せるキャメロンの妙なこだわりに爆笑していたり、もうひとりはジャックとローズのラブシーンに興奮していたりと、なんともいえない空気。しかも、氷山にぶつかって沈み始めたーと思ったら、いつの間にか隣に忍び寄っていた顧問が一言「帰るぞ」と。「これから二人はどうなってしまうの!?」と健全に楽しんでいるカップルを後ろ目に見つつ、僕は劇場を後にしました。後にも先にもあんなに居心地の悪い映画鑑賞をしたことはありません。まあそんなわけで、今でも『タイタニック』と聞くと、なんともいえないナーバスな気分になったりするのでした。

10月1日

プロットの講評。今回は思い切って女子高生とかを主人公にしてみたら、矢崎監督から「女子高生という点が…上手くいかないと大失敗になる可能性があるよ」とか言われてしまって。「かわいいだけの普通のいい娘」になってしまったら、シナリオとしての面白みが激減するということらしいんですね。「面白い女子高生」を僕が撮れるかどうか懐疑的な様子。えーと、どういう意味なのでしょうか?やっぱアレなのでしょうか…?しかし!脳内がスウィングモードの僕としては、その点(セーラー服)は譲れません。今まで作った映画がどういうわけか野郎ばっかのムサめの映画ばっかなので、ここらで一発女子高生でいこうやないかい!と、まあ、こういきたいわけでありまして。セーラー服の女子高生撮りたい!…えーと。何を力説しとるんでしょうか僕は?とにかく、男子高校生にしたほうが…というアドバイスを断固退けて、今回は女子高生でいきます!新しい境地を開かないと!(野郎は嫌だ!)まあ、まだ撮れると決まったわけではないですが。

しかしまあ、なんというか、本音を言わせてもらえれば、僕は邦画、特に自主制作にありがちな「奇抜なネタひとつで映画を引っ張る」という物語のスタイルは、どうにも好きではないのですよ。主人公が奇天烈な個性の持ち主、とか、なんか摩訶不思議なことが起きて登場人物がなんとなくそれを受け入れながら(あるいは否定しながら)生活する、という。簡単に言えば、ひとつの奇抜なネタを物語全体の持ち味にするというスタイル。なんていうか、単純な生地の上にヘンテコな具材を乗っけて、「これ、僕の創作料理です!」という感じというか。うーん分かりにくいな。ただべったりした生地を淡々と見せる、というのもアレだけど、王道だろうがなんだろうが、きちんとした物語があってこそのネタだと思うわけで。そういうのはスパイスとして見えないように練りこんで、食べてみたときに初めて「ああ、なんかちょっと想像してた味と違って面白い」っていうくらいがちょうどいいんだと思う。それ自体が個性を持ちすぎると、かえって物語のテイストを潰してしまうような気がするのですよ。シャマランなんかはそういうのがとても上手い。観ている大部分の人は、物語を楽しむのであって、奇抜さとかそういうのを求めているのではないと思うし。まあそれが難しいんだけどね。

帰ったあと、うちにこーじさんがいらして、また二人でちびちびと雑談しながら飲みました。そう、今月はあの大イベントが控えておるのですよ。そのために今日、なけなしの1万円を振り込んできたわけでして。やあ、楽しみだなあ!もう!でも今は内緒!