LIFE LIKE BLUE

Diary Log-2005-03

3月31日

バイト。バットを持った少年が、周りの迷惑顧みずにうろちょろと兄弟をぶん殴って回ってました。あ、プラスチックのバットね。おじいちゃんらしき老人の制止にも知らん顔。あれはいつか人殺すね。末恐ろしい。

>明日の飯をどうしよう。
バイト先で飯ゲッツ!


はい。廃棄処分待ちの非常食(ファミリーサイズ5日分)です。非常時だからいいよね?いいよね?これで5日間は大丈夫だ…。

約5ヶ月ぶりにブログ更新しました。間が空くとなんか緊張しますね。ブログの方は、まあ僕の消費社会への貢献度を示すような内容ですが、やはり、あれこれ語りすぎると時間が無かったりで難しいもので。これからはもう少し自粛した形でやってこうかなーと。日記はやっぱこちらの閉鎖型のほうでやってこうと思ってます。僕の一日なんざ別に誰も知りたくないだろうし、ここを知ってる数少ない身内に「ああ、生きてたんだw」とか「うはwwキモスwww」とか思ってもらえれば良いことで、でもオープンな場で「wwww」とか思われると悲しくなるので。あと、ブログの方は見て頂ければ分かるように人格変えてるんで、僕の方がタイラー・ダーデンのようになってしまいますんでね、これからはある程度ユルーい感じで落ち着いていくでしょう。変に真面目ぶると疲れるわ。

とか言っておきながら、「シネマファクトリー」でイメージ検索すると真面目ぶってる僕の写真が(何故かアニメ雑誌と並んで)ヒットすることが後輩の進言にて発覚!げえー!恥ずかしい!や。やめろぅ!こっちを見るなー!

というわけで、来月もひとつよろしくお願いします。

3月30日

お休み。なんで、部屋掃除したり布団干したり家賃払ったり髪切ったりしました。部屋も頭も財布の中身もサッパリな感じで。

そのあと、進学届けを学校に提出しに行きました。まだ1年間学生ですよ。来年の今頃どうしてるかは考えないようにしよう。焦りでお腹痛くなるからね。帰りに、ジャッキー・チェンの『香港国際警察 NEW POLICE STORY』を観に行こうと思いまして。これ、やたらと評判がいいんですよね。某映画情報サイトで観客の満足度が満点か次点のみ!実に80%の人間が最高だと評価してたわけですよ。東監督も絶賛してたし。なにせ、今回のジャッキーはギャグ無し!らしい。しかも、部下を全滅させられたジャッキーが酒に溺れて、路上でチンピラに小銭を巻き上げられたりする!らしい。酔拳が使えない!?そ…それは一大事だ!今回は本当に凄いのかも…。でもまあ、冷静に考えればジャッキーの映画を劇場で観る連中が満点をつけるのは当たり前か?僕も日曜洋画劇場でしかジャッキーの映画観たことないし。だからよく考えたら、声も吹き替えしか知らんわ。普通にジャッキーの声はアレしか浮かばない。

とまあ、そんだけ色々書いておいて、実は映画観に行かなかったんスよ。直前にタワレコに寄ったところ、いつの間にかENGINEERSとThirteenSensesのアルバムを衝動買い。映画を観る金がなくなりました!両方ともデビューアルバムなんだけど、かなり大当たり。最近はエレクトロニカよりも、マイブラのようなサイケ+メロにハマりつつあります。ENGINEERSの「FORGINENESS」なんか、まさにマイブラの系譜を感じさせる音作りで本当に良くて…って、明日の飯をどうしよう。

3月29日

バイト。でもバイトって言うと会社に怒られる。「バイトだとは思っていないから」だって。バイトじゃん。

『ファイト・クラブ』を観る。何度目だかもう分からん。何度観ても凄い映画だ。凄いイカレた映画だ。原作者の文体をここまで映像で再現できるのは本当に凄い。パラニュークの『サバイバー』を読んだ後ならなおさらそう思う。ストーリーを映画化するのではなく、映画独自の物語にするのでもなく、まさしくあの原作の文体を映像にした感じ。エドワード・ノートンの演技とナレーションがさらに拍車をかける。小説を映画にするってのはこういうことなんだね。って、いまさらファイト・クラブか。いまさら何書いてんだ僕は。書くことが無いからか。

でも実は、この映画が何故そこまで凄いかってのは、単に映像がぶっ飛んでるからではないんじゃないかと思う。確かにフィンチャーの映像は凄いけどさ。つまりは、ここまでイカレた登場人物(たち)なのに、何故か共感を持ってしまう辺りにこの映画の本質を感じる。エドワード・ノートンのように、束縛から離脱したいという欲求は誰しも持っていて、でもその実、日々の安定した暮らしを捨てたくないというのも真実であり、現実に僕はそうやって毎日をしのいでいる。ぶっ飛んでいるように見えて、実際は僕らの中にある気がつかない葛藤をそのまま素直にやってるに過ぎなかったということ。だから、極限までディフォルメしてエキセントリックな行動でも、心の奥底では共感覚を得るんではないかな。この共感覚というのは映画ではすげえ重要で、どんなにつまらない題材でもこれがあるなしで全然面白さが変わってくる。まあ別に、単純に爆発したり銃弾がすっ飛んだりしてても好きだけどさ。でも、観たあとに妙に残る映画なり小説なり、まあ何にしろそれがあるってことは、やっぱり誰しも根底に持っている感覚に近いからなんだと思う。理屈じゃなくてね。

まあ、それが分かったからといってすぐさま面白い脚本が書けるってのとは、また違うのが悲しいところではあるんだけど。

3月27日

バイトでございますよー。何か書こうと思ってたことがあったような気がしたけど、きれいサッパリ忘れたのでまあいいや。バイト先でスピルバーグの『宇宙戦争』はどうなの?ってよく聞かれるけど、観てないものはコメントのしようがねぇですよ。さすがに。あのタコ型宇宙人をまんま再現してくれたらスピルバーグは神だけどね。

3月26日

最近あったこと。

23日。バイトの現任教育の帰りに、耳鼻科行ったら耳治った!「風邪のせいかもねー」とか言ってた先生が耳を覗いた瞬間「わあ!これだ!」と、でかい声を出したので正直ビビッたけど、なんか耳かすが鼓膜にくっついてただけらしい。ネットで調べて、髄液がどうのこうのという症例を読んでいた身としては拍子抜け。ぶおうと吸引してもらって一件落着。あっけない。

そのあと、タワレコで視聴してよさげだったCDを買ったら、中身が聴いた奴と違ってた。電話したら、なんか視聴機のディスクを入れ間違えてたらしい。もうすでにバッチリ開封しちゃったけど、取り替えてもらえた。ニ度手間でもう一度タワレコまで出向いたけどね。別に怒ることでもなし。新宿まで近いし。というわけで、マイス・パレードの『ナイツ・ウェーブEP』を購入。女性ヴォーカルがいい感じだと思ったら、mumのひとだった。

24日。後輩の卒業を祝うという名目でうどんを食いに山梨へ。2日連続で休みをもらったら、上司から白い目で見られることこの上なし。土日じゃないからいいじゃん。東京は晴れてたのに、高尾を越えたらあれよあれよという間に曇ってきて、山梨ではついに雨が降り出した。さすが山梨だ。この街はいつ来ても雨か曇りだなー。うどんを食って、部室のPCでピクロスをして遊んだ。卒業生は2人だと思ってたら1人しか卒業できてなかった。他の演劇サークルの卒業生とかにも会おうと思ったけど、結局見つからず。大学のリサイクルの後輩を冷やかしたりして時間を潰す。夜、いつもの店でみんなで飯を食ったんだけど、シェフのひとが、僕がカレーを大盛りで頼まなかったせいで僕かどうか判断しかねたらしい。そんな認識のされ方は嫌だなあ。でも相変わらず美味かったけどさ。

徹夜で飲んで、ひたすら煙草を消費する。なんか深夜に眠い頭で後輩たちを前に、映画とは何たるかを切々と説いたような記憶があるけど、ハッキリ言ってウザイっすね。はい。すんませんしたー!ほんと…ホントすんませんした…。桑田ペー助。君、卒業おめでとうございました…。それを言うために行ったはずだったのに、結局言ってなかったことに気がついた。今気がついた。あまりに普通に当時のまんま話してただけだった…。一体何をしに行ったんだ僕は!?

25日。後輩M邊は「2年ぶりに酒を飲んでも調子がいい!」と連呼していたような気がするけど、彼の調子がいいときには僕がすでにダウンしていて、あんまり付き合ってあげられなくてごめんなさい。なんかもっと話しておけば良かったような。という感じで、朝の9時ごろにのっそり起きて、ペー助。君と共にS木の運転するする車で大月まで送ってもらいました。おかげで530円払わずに済んだ。ありがとう!この私鉄路線が日本で一番高い運賃だというのは知ってたけど、なんか世界一でギネスに登録されてるらしい。世界一高い運賃を払ってたどり着くのは、カップルばっかの遊園地とジジババばっかの汚い湖。まったくもって恥以外の何モノでもないわ。まあいい。それで、結局ペー助。君を送って立川まで。ルミネでシャープペンを買ったり飯を食ったりしたけど、正直眠くて、覚えてるのはレストランの隣の席の母娘が高い食い物をあらかた残してたことくらい。親が親なら娘も娘だねえ。残さず食え!

とまあ、そんな感じで国分寺で彼と別れ、井の頭線で家へ。証明写真撮ったり進学願書出しに行ったり散髪したり家賃払ったりと色々しようと思ってたけど、油断した隙に寝てしまい、いつの間にか今日になってましたよ。18時間も寝ちまったい。まあ今日は遅番でゆっくりできたけどね。

バイト終わって松屋で飯を食ってたら、インド系の外人が4人ほど入ってきて、カレーを食わせろと身振り手振りで言ってまして。ただしビーフは駄目だと。あんたそりゃ、牛丼屋に来て牛はノーだと言ったら単なるイヤガラセですよ。店員はもう9割がた日本語で必死に説明してるんですが、なんかもう「あ、わ…わ…」みたいな感じになってて、もはや日本人でも何を言ってるのか分からんという状態で。店を出るときにチラッと見たら、外人は味噌汁をかき回して油揚げをつつきながら「これは何だ?牛か!?牛なのか!?」と執拗に尋ねていました。どうせ人間、生きてるだけで色々なものを犠牲にしてるんだから、いまさら牛の欠片のひとつやふたつでどうこう言うもんじゃねーと思ってしまったりもするわけですが、まあそこは彼らなりの文化があるわけで。むしろ「ヘルシーチキンカレー」に豚肉を放り込む日本人の感性の方がよっぽどどうかと思ったりもするわけです。まあどうでもいいや。

3月23日











3月21日

右耳直らず。生活に支障はほとんどないんですがね、ちょっと心配になってきた!色々調べたらなんとなく原因らしき推察もついてきたけど、やっぱ一度診てもらわないとなあ。

バイトでして、終わったあと火消しの友人に飯を奢ってもらう。経済危機は相変わらずだけど、実は昨日も同僚に飯を奢ってもらっちゃたりして。やあやあ、ありがとうございますですよ。僕は何だかんだ言って、そういうことには恵まれてますね。ただ、みんなが口をそろえて「出世払いね」と仰るのですが、果たして出世できるものか、映画の仕事が出世になるのか、そしてあわよくば出世的なことになったとしても、我が国の債務のように途方もない金額になること請け合い!ヒィ!でもまあ、未来の負債より今日の飯。ありがたやありがたや。10年後の僕が頑張ってくれていることを切に願いますよ。

3月19日

右耳直らず。医師の同級生に相談したら「だいじょぶだよー」と軽くあしらわれましたが。直るどうのよりウゼーんすよこれ。もうちょっと様子見て直らないようなら、ちょこっと耳鼻科に行ってくるかな。そんなことしてる時間あるかな…。

まあそれは置いといて、昨日で学校は終わり。ヨコシネの試写室より広く、当然僕の部屋より4倍近く広いオムニバスジャパンの試写室で作品発表会。まあ自分たちのは散々観たんでどうでもいーんすが、先輩の作品は面白かった。特に、厨房を舞台にした『ディナーラッシュ』みたいなテイストの作品は、カットの画作りが上手くて舌を巻きましたよ。スクイーズを使って撮ってるから奥行きもあったし。あー来年はアレくらいの作品を撮れたらなあ。

そのあと、送別会を兼ねて新宿で飲み。金が無いのと明日はバイトの現任教育があるのとで、1次会で退散して、同じく帰宅組の16ミリの監督と一緒にふらりと新装開店したブックファーストへ。ずいぶん間取りが変わっていたので迷うことこの上なし。ふらふら見て回っていたら、松本次郎の短編集と『ファイト・クラブ』原作者チャック・パラニュークの『サバイバー』文庫版を見つけてしまい、結局購入してしまいましたですよ。うーむ。やばいなあ…。今月3万強しかバイト代入ってないのに…。部屋代が2万とはいってもさすがに生活できん!今月のバイト代を前借りするしかないなあ…。貯金とか夢のまた夢だなあ。

で、今日。本当はバイト休みなんですが、半年に一度の現任教育なるもののために、朝からチャリで新宿支社へ。僕はただでさえシフト入れないのに、本来現任受ける日に応援で現場に回されたので、いまだに受けられずにいたわけですよ。というわけで、当然受けるのは僕一人。今日受けた基本教育は、法律で3時間の教育時間が指定されてまして。まあ、教育云々といっても、要はもうすぐ警備業法が改正されるので、そのための講習に近いわけですが。で、課長さんとマンツーマンで改正点などの話を聞いてたわけですが、改正されると必ず検定有資格者を現場に入れなくてはならないだとかで、人が足りなくて業務ができなくなるだとかなんだとかいう(愚痴まがいの)話を聞いておったわけです。小一時間ほど話した辺りで、なんかもう話す(愚痴る)ことが無いのか、世間話のようになってきましてね、その中で僕が映画学校だという流れになったわけですよ。

その瞬間、課長の導火線にオン・ファイヤー!

『トラ・トラ・トラ』で黒澤明が戦艦に懲りすぎてクビになった話から、モノクロ映画の監督がカラー作品になったときになぜ駄目になるのか、海外のCGと日本のCGの決定的な違いはなんなのか、さらには映画の現場の就職とはいかなるものか、みたいなところまで際限なく盛り上がりをみせまして。結局2時間以上、2人でひたすら映画関係の話をしまくり、挙句、教育の一環であるはずの警備教育ビデオを見ながらライティングがどうの、撮影時の道路使用許可がどうのという、もはや警備とはるかに関係ない部分を論じ合うという、大変楽しい時間を過ごさせていただきました。いやあ、映画って本当にいいものですね!

来週受ける業務別教育は規定が5時間ですよ。5時間も映画の話を!楽しみだなあ!…で、いいのかな…。

帰りにタワレコにふらっと立ち寄ってみたところ、いつの間にかモービーの新譜『HOTEL』とマイ・ブラッディ・ヴァレンタインの『ラヴレス』を買っていた。何やってんだ僕は!?

3月17日

うーん、なんか右耳が調子悪い。ずっと水が詰まったような感じでぼわぼわしてる。耳掻きしたのになあ。気になってしょうがなくて非常に不快、というわけで僕です。バイトの帰りがけに煙草と缶コーヒーを買ったら、風呂に行く金がなくなりました。50円玉を100円玉と見まちがーえーたー。あー。

なんかそんなどうしょうもない今日この頃ですが、バイト中に高校生カップルの別れ話と思しき現場に遭遇。まあ持ち場を離れられんので、遠目に見ただけですが。雨が降ってる中、女の子の方は傘も差さずに自転車を持って呆然としてまして。男の方は傘を差してるのに、女の子を放りっぱなし。うわー修羅場(でもなかったけど)だよーでもなんかショッピングモールの寿司屋の前ですがー?って、よりによって寿司屋の前かよ。こんなアホみたいな場所で別れ話(らしきこと)すんなやー。その後2人は話しながら歩いて道の反対側へ行ったんですが、そこでまた立ち止まってなんかやってまして。女の子が持ってた折りたたみ傘で男をちょっと叩いたりして。男は動じず。「あたしとは遊びだったのねー」「うるせいやいお前なぞ知ったことかー」と、三文芝居のような会話を脳内補完して自分のシナリオの才能の無さに鬱入ったりして、とかやってたら、自動車を1台見逃して勝手に入られてしまいましたとさ。仕事はちゃんとやりましょう。しかし、僕の高校時代にはそのような思い出的なもんはこれっぽっちも無かったりするわけで、バカ面さげて部室の壁をラペリング降下やったり男同士で素っ裸でUNOやったりの記憶しかないわけで。ちょっと羨ましかったりもしたわけで。もっとこう…まあいいや。

とまあ、オチもクソも無く強制終了。御粗末様ですな。

3月16日

うおーい!調子良く更新してると思って油断してたら、いきなり間が空いてるわい。光年矢の如し。くわばらくわばら。

まあやってることは基本的に編集→バイトの繰り返しなわけですが、とりあえず編集の方はひと段落という感じでして。16ミリは先日MAによる音入れが終わり(僕はバイトで行けなかったけど)、35ミリのネガ編も完了し、本日は監督と学科担当の方と一緒に、横浜は反町のヨコシネD.I.A本社にて、カラータイミング(色補正)のチェックにかこつけた見学のようなものに行ってきました。ヨコシネ本社はまるで学校の工作室のような感じで、木製の机の並ぶ教室のようなところでした。なんかこう、もっと最新機材がでーんと置いてある編集室然としたものを想像していた身としては、ちょっと意外だったり。なんだか、うちの親父様の勤めるテ○モの研究室とあまり変わらんぞ、と。しかしまあ、机の上とかそこらじゅうにフィルム缶が置いてあって、ステインベック(編集機)のようなリールが並んでいる様は、やっぱり映画のポストプロでしたが。

で、タイミング担当の係長さんの案内で、タイミングの過程を見せてもらったんですが、肝心のネガプリントに関してはもうすでに終わっているということで、機材やら方法なんかを見学させてもらいまして。タイミングの機械は、ステインベックに旧式のパソコンを括り付けたようなマシーンで、リールにかけたフィルムをディスプレイに投影し、手元のジョグダイアルみたいので色調整、その数値を脇のパソコンみたいな奴に打ち込んでいって、さらに下に蛍光灯を仕込んだトレス台みたいな奴の上で1カットごと微調整、最終的に現像で最適な色に仕上げる、という感じ。つまり、機械を使って調整しても、最終的には人の手で細かな色の統一を図る、ということでして、その手つきはやはり職人の腕を感じさせるものでした。今回の作品は3分そこそこで40カット前後なんですが、これが2時間とかの作品になったときには一体どうなってしまうのかと。まあここまで来ると、僕ら現場スタッフはアホのように口を開けて、わあすごいねぇと繰り返すことしかできないわけですが。

その後、出来上がったばかりのプリントをスクリーンで試写してもらえることに。事実上の初号試写です。僕の部屋より広い試写室で3人だけで鑑賞。なんかVIPみたいでいいね。これまでラッシュを含めて3回スクリーンで観ましたが、やっぱりステインベックなんかの小さな画面とは全然違う。細かい砂の粒子まで映っているのを見ると、やはりすげえなあと思います。太陽の加減で微妙に違った色も完璧に補正されていて、全体的に引き締まった感じ。身内の作品とはいえ、完成版をいち早く観られるというのはなんか嬉しい。これで今回の作品はひとまず完成。明後日は赤坂のオムニバスジャパンの試写室で完成披露です。

↑ちなみにこれは、今回の35ミリ作品のラッシュポジ。僕がはじめて回した35ミリの記念に、編集あまりの端尺をパクってきました。うーん、(腕はヘボくても)映画って感じですね。

3月12日

昨日はヨコシネでラッシュ試写。ラッシュ試写ってのは、一度現像した仮のフィルムを繋いだ奴をスクリーンで観ること。やっぱりブラウン管の小さな画面で観るのとスクリーンで観るのでは全然違います。これだけでかくしてもまったく画像に荒れが無いのはすごい。観終わって、最終的な編集の問題点を確認したあと、学校に戻って、16ミリの方のラッシュ試写と、また編集。撮影部として学校の5階で35ミリの方の手伝いと助言をして、助監督として3階で16ミリの方のプレミアの使い方の助言と音声の調整をして、また5階に戻って…の繰り返し。階段を上り下りするだけでもう疲れること疲れること。なぜか担当講師に言われて、僕が編集の監修とかSE担当とか色々やらされているので、体がいくつあっても足らん。ネガ編とSE録りが同時にやってくる月曜が怖い。

大学時代のゼミ飲みがあったので、てんてこまいの編集現場を抜け出して新宿へ。そしたら、久しぶりに東京へ来た大学時代の友人で現在は流浪の営業職ヤスハラからも飲みの誘いがあったり。だから…だから何故みんな当日に連絡してくるんだ!なんでだ!?週末は休みだとでも思っているのか!?大学生かお前らー。世の中には1週間休みが無い人間だっているんだぞー。あああ…。というわけで、うちに泊まる気満々のヤスハラには適当に時間を潰してもらうことに。いや、別に一緒でも構わんと思ったんだけどね、ゼミのOBも来てるのでね…。本人が固辞するのでさっさと飲みへ。進学した連中は特に変化も無く、就職した皆様は立派な社会人になられまして、大学時代の駄目人間を肴にして楽しく飲みました。ただ、教授が来れなかったのは残念でしたが。まあ、温泉に行きたいなどとこぼしているそうなので、そのうちに温泉旅行でも企画されるでしょうが。その際は間違っても当日に連絡ということは無しでお願いしますよ!

終わったあと、新宿駅でヤスハラをピックアップして、自転車に2ケツして家に。うーん…野郎と2ケツなんざしても楽しくないな!で、家に帰ってからまた酒を飲む。僕は梅酒の飲みすぎで頭が痛かったので、ほどほどでしたが。ヤスハラには申し訳なかった。眠かったんで何の話をしたのかよく覚えてなかったけど、結局午前4時過ぎまで語り明かしまして、ヤスハラには以前、コタツも無いのに実家から送ってきたコタツ布団を供与して寝ました。それにしても、東京に来てから大学時代に比べると人を泊める機会が多くなりました。部屋は前より狭くなってるのにね。田舎にいたときより大都会に来てからの方が、他人が家に来る機会が多くなったってのは不思議なもんですが。ああ、もちろん野郎ばっかですがね!ははは!はあ…。

で、今日ですが、ヤスハラを送って行ってから、久しぶりにバイトも休みなので部屋の掃除でもしようと思っていたところ、バイト先から電話。ああ、非常に嫌な予感はしましたが、居留守のできない正直者なので電話に出たところ、ひとり風邪で倒れたから代わりに入ってくれと。あーやっぱりー。というわけで、昼からバイトでした。これで今月の何も予定のない純粋な休みは消滅。ああー。貧乏は辛いよ。

3月10日

バイトが終わった後、同僚と元同僚の3人で飲み。ていうか、この2人は昨日も飲んでいた。僕も誘われたんだけど、いかんせん『ボーン・スプレマシー』のチケットを買った直後だったのでね。ていうかさ、唐突過ぎるよ「これから」って!せめて1日前に予告しろよ!郵政公社ほど暇じゃねーのですよ僕は!で、今日も家に宅配が届くので、急いで帰ろうと思っていたら、バイト先に元同僚が現れて、終了15分前になって「行くぞ!」と。大学生かお前は!

でもまあ久しぶり(といっても1ヶ月も経ってないがな!)だったのと、お土産のカステラを食ってしまったのとで、宅配をキャンセルして一緒に飲みに行きました。今日は非番で、明日出たら土日は休みなんだってさ!羨ましいことこの上なし。日曜に休んだ記憶なんざ久しく無えよ!彼は、飲みの席ではひたすら今日購入した自分の靴を褒めちぎっておりました。まあいつものことなので放っておきましたけどさ。ちなみに、今日の御会計は公務員であるはずの彼ではなく、何故かいつも肉を食わせてくれる同僚の奢りでした。何故だ!というかまあ、タダ飯させていただけるのはありがたいので、別にどちらでもいいのですが!ですが!もうこの同僚にはかれこれ数万近く借りがあります。ありがたやありがたや。

さて、昨日の『ボーン・スプレマシー』ですが、やはり何がどう面白かったのかよく分からない。自分が面白く感じたものを言葉に置換できないというのは、なんかこう、もやもやして嫌ですね。まあいいけど。明日はヨコシネでラッシュ試写。もう寝よう。

3月9日

編集帰りに新宿で『ボーン・スプレマシー』を観る。1作目の『ボーン・アイデンティティー』は全体的に薄味な感じで、なんか妙にかっこよかった「教授」という殺し屋くらいしか覚えてなかったんですが、続編であるこちらは面白かった!どう面白かったのか?それが、よく分からんのですよ。言葉にできないほど面白い!っつー意味ではなくてですね、なんというか、非常にベーシックなつくりなんですが、えーと、あー、その…面白いんですよ。たぶんひとつは、記憶喪失な主人公のボーンが、前回の「よく覚えてないけど俺って強いじゃん!」みたいな感じから、自覚したプロフェッショナルな感じで行動するようになったところですかね?それは、セガールとかヴァン・ダムがとりあえずバキバキ敵の首をへし折っていくというんではなくて、絶体絶命で明らかにやばい状況でも、逃げ方やその場でのやり過ごし方ひとつひとつに洗練された動きがあるという意味でね。あと、前作のようにわらわら刺客が送り込まれていくのではなくて、あくまでハメられたボーンが淡々と自分の目的のために行動していく辺りとか。うーん。あまり面白そうに聞こえないな。とにかく、想像してたよりはずっと面白かったってことで。うーん。

3月8日

バイトが早番だったので、帰りに銀座は日劇2で『ローレライ』2回目。ロフトのイベントで大塚ギチが「2回目からが面白い」との発言をしていたのでね。試写で行った新宿厚生年金会館の音響があまりよくなかったので、あまり好きではない銀座の映画館まで行ったわけです。この映画、スカイウォーカーサウンドで6・1chEXという、もはやいくつスピーカーがあるのか分からないエライ音響をやっているので、やっぱいい音響設備のあるところで観ないと魅力半減ですよ。耳を澄ますと、ワイヤが風で揺れる音まで聴こえるという凝りよう。まかり間違っても山梨の某ホールのモノラル音声なんかで観てはいかんと。1回目はやはり原作との差異やストーリーラインを追うのに精一杯で気がつかなかった役者陣の細かな演技や、「空間恐怖症」とまで言われる樋口真嗣によるフレーミングの目がいかなかった部分に結構気がつけたし、なおかつ音も良くスクリーンもでかいので、確かに1回目より楽しめた感あり。ギチさんは正しかったよ!ある意味、最初に気になった部分には耐性がついて、他の部分にまで目が回るようになったのかもしれないんですが。まあね、普通の人はなかなかリピートして観るってことはないわけで、ふと足を踏み入れたひとにも納得のいく出来にしなくてはいけないのがプロってもんですが、まあその辺は抜きにして。

しかし、やはり軍医役の國村隼は最高ですね。役所広司やギバちゃんもいい感じだけど、國村隼がこんなにおいしい役どころだとは思ってもみなかったですよ。いちいち何か言う度にいちいちかっこいい。予告で流れていた『交渉人 真下正義』でもなにやらいい感じだったので、こちらも國村隼を観るために行くことになるでしょう。國村隼を観るためにもう一度『ローレライ』を観に行くかも知れんという勢いですよ。あと、堤真一の部下役の忍成修吾も良かった。台詞無かったけど。『リリィ・シュシュのすべて』でも上手いなあと思ったけど、もう少し売れてもいいんじゃないかと思う。仕事をもっと選べ!

ところで、銀座の日劇って全席指定なんですが、結構中央席空いてるのになんでサイドの席に座らせようとするんかいな!?多少スクリーンに近くてもいいから真ん中に座らせろや。混んでるとかならともかく、平日の最終回なんて普通満席になんざならないだろ!?もっと自由を!だから銀座の映画館は嫌いなんですよ!もう!

というわけで、映画『ローレライ』公開中ですよ皆さん!何度言わせるんだ!というか、なんで何度も言ってるんだ僕は!?

3月7日

もうだめだもうだめだとさめざめ泣く監督をあやしつつ編集。普通、映画を初めて完成させた時ってのは、やり終えた直後は「俺は天才だヒャッホウ!」となって、その後段々やべえちょっと恥ずかしいかもいやすげえ恥ずかしい見るな!こっちを見るな!となるもので、岩井俊二もそうだったと彼の著書『トラッシュバスケット・シアター』にも書いてあるわけですが、どうにも彼は目が肥えてる分、編集中からそんな状態でして。まあね、これがおらの作品だ!たんと見れー!ていうのもそれはそれでアレですがね。大体、当初頭に思い浮かべていた素晴らしい映画のイメージってのは、役者が入り、現実に芝居を始め、それを誰かが撮影した時点で崩壊するもので、以前買った本でも、1980年時点のジョージ・ルーカスは「もう監督なんてしたくない」と泣き言を言っていたものですがね。それでも撮影は進むし、金をかけた以上は完成させなくてはならないわけで。僕の(現在の)仕事は、もうなんか訳が分からなくてオロオロしている監督に、ほらほらとりあえずこうしてみようね、ああしてみようね、と頭を撫でてやるという、まるでお母さんのようなことになっています。絶対これ助監督の仕事じゃねえし。先日の樋口真嗣ナイトのスタッフ話を聞いてると、どうも現在の位置合いは助監督兼監督補兼お母さんというような感じでしょうか?もう何がなにやらわからんね。

まあそんな状態の監督を見ていましたところ、何故か急に『セルラー』が観たくなり、彼を放っぽり出して歌舞伎町へ。思い立って15分後には劇場の中。新宿って素晴らしいねー。時間とお金が無いのが困りものですが。これは、僕が一昨年絶賛した『フォーン・ブース』の脚本を書いたラリー・コーエンが、「今度は電話ボックスじゃなくて携帯にしてみようかなー」と思いついた映画。ごく普通の生物教師キム・ベイシンガーが、突然家に押し入ってきたジェイソン・ステイサムに拉致られて、監禁された部屋で見つけた壊された電話をいじくっていたところ偶然遊び人のクリス・エバンスの携帯につながり、泣きながら助けを求めたためにクリス・エバンスは街中を携帯片手に右往左往する羽目になるというもの。果たして配線をいじくりまわすだけで電話がかかるのかどうかはよく分かりませんが、電波が繋がらなくなったら一巻の終わり、というひとアイデアでここまで映画として完成できるのはやはり凄いですね。この映画のキモは、なんと言ってもマッチョなジェイソン・ステイサムらに対し、味方側のクリス・エバンスやウィリアム・H・メイシーがとことん情けないことですね。主人公のクリスは別れた女のケツを追っかけまわし、半狂乱のキム・ベイシンガーの電話をへらへらしながら聞いてたりだし、『エアフォース・ワン』でハリソンの側近を演じていたウィリアム・H・メイシーも、老警官役で顔に海草パックを塗りつけたりひーこらと走り回るだけで実に頼りがいが無い。まさしく、ドリフにおける「志村うしろ!うしろ!」という感じで実にサスペンスフル。これがスタローンとかセガールだったら、とりあえず何か知っていそうな奴は片っ端から首の骨を折っていきそうなものですが。ただ、肝心の事件の真実があまりにも予想しやすいものだったのが残念ではありますが。どの角度から見てもチンピラ顔ののジェイソン・ステイサムが×××というのは想像できなかったけどさ!

3月6日

バイト。4月から管理室のシフトが1本減るので、僕ら立ち番の人間はこれまで使っていた警備室から管理室に詰めることに。なんかさ、焦ってるのはわかるけど、別に管理室っていっても駐車場の管理であり僕らを管理してるわけじゃねーんだからさ。だから、いちいち業務通達で「立ち番が終わったら寄り道せずに管理室へ戻ること。トイレなども管理室の人間に一言言ってから行くこと。」とか書くなや。僕らは小学生か!?クソくらいゆっくりさせろや。まったく馬鹿馬鹿しいことこの上なし。辞め時を考える頃合か?

M・ウォードの『トランスフィギュレイション・オブ・ヴィンセント』と、ワールズエンド・ガールフレンドの『The Lie Lay Land』を購入。M・ウォードとの付き合いも、ファーストの『エンド・オブ・アムネジア』以来長いけど、いつの間にかサードが出ていて、今月発売された新しいアルバムの記事を読んで、すでにサードが出ていたことを知ったり。まあどっちにしようか悩んだけど、ここはひとつ発売順に買おうということでこれ。M・ウォードは、ジャック・ジョンソンからサーフと爽やかさを抜いて、代わりにど田舎で農場生活を始めさせたような感じ。はい。言ってる意味わかりませんね。彼の持ち味であるだるい感じはそのままに…というか何もかもそのまま。全然変化無し。まあそれがいいのだけど。ワールズエンド〜の方は前作のカオスっぷりが少し薄れて、メロディーラインがくっきりしている。そういう意味ではセカンドに近くなったような。しかしまあ、本作はギターリフが入ったりジャズ要素が加わったりで、ある意味さらに混沌が深まったともいえるけど。以前演劇で使ってもらったときに、ある人から「これスゲー気持ち悪い」と言われてしまったりしたりして。まあそれがいいのだけれど。ちなみに、このワールズエンド・ガールフレンドの曲が学校の2年生の作品に使われていて、どうやって許可を取ったのか聞いてみたところ、監督のバイト先の先輩の知り合いなんだそうな。意外とまあ…近いようなそうでもないような…。

3月5日

『ローレライ』の公開日ですね。わたくし、人ごみの中初日舞台挨拶に行く気力も無く寝果てておりました。

で、午後から編集に付き合ったあと、合流したコージさんと共に、新宿はロフトプラスワンで開かれたbootleg! Vol.6『ローレライ』公開記念「樋口真嗣<非公式>ナイト」へ。日の当たる公式舞台挨拶を捨て、地下のアングラなイベントにのそのそ出かけるのが御似合いですともさ、ええ。ツマブキ君目当てのご婦人方もおらず、メガネをかけた髪もじゃのむっさい皆さんばっかでございました。まあね、樋口真嗣ナイトであるにも関わらず本人は欠席とはいえ、ゲストは「ローレライ」原作者である福井晴敏氏をはじめ、プロデューサーの臼井裕詞氏、同じくプロデューサーの甘木モリオ氏、制作総括でキングレコード代表の大月俊倫氏、監督補の尾上克郎氏、VFXスーパーバイザーの佐藤敦紀氏、助監督の清水俊文氏など、そうそうたるメンバー。内容は一番最初にオフレコを厳命されたのでここでは書けませんが、要はローレライ及び樋口真嗣に関わった人々が、本人不在を良しとして好き勝手言いまく…じゃねえ、樋口真嗣がどんな人間なのかを語り明かすというイベントでございました。12億の大作映画の制作者たち、しかも公開初日ということで、皆さんすげえハイ…かと思いきや、げっそりと疲れ果てた男たちが妙なテンションでぐだぐだ語るという素晴らしい空気で大変よろしい感じでございました。

個人的には映画の現場ゲストの方々、特に監督補の尾上氏の語りが絶妙でして。現場の空気が伝わって…きたような?まあいいや。でも、一度でも映画を作った人間なら頷けるエピソードが多くて参考になりましたですよ。映画を作るってことは非常に厳しく苦しく、でもやっぱ面白いもんですね。

終わったあと、原作者の福井氏に一言挨拶しようと思ったら、何故かなし崩し的に打ち上げに引っ付いていくことになりまして。歌舞伎町の路地奥の中華料理屋へ行ったところ、監督本人が。えー。ていうか、スタッフに原作者に監督という、これってつまり公開初日の打ち上げじゃん!わあ。肩身狭ー。というわけで、店で会ったオフ仲間の皆さんと共に、業界人らしき人々がわさわさ飲む中で身を縮こまらせて料理を食ってきました。とてもじゃねーけど監督なんかに話しかけられなかった僕はヘタレでございますとも、ええ。そんなこんなで、明日のバイトのために、映画業界への近道が目の前にある中、何も出来ずに途中で退席してきました。あー。こういうときに何も出来ない自分のような奴は、果たして本当に映画の現場にいけるんでしょうか?

というわけで、映画『ローレライ』公開中です。確かに粗も多いでしょう。ハリウッドのようなCGにはまだ及ばないかもしれません。首を傾げたくなったりするかもしれません。しかし、どんな映画でもスタッフはその時に出来るすべての力を注いで作っています。その熱は確かに伝わってくる映画です。観なくてもいいけど、もし2時間の暇と1800円のお金の余裕と僅かな興味があれば、是非観てください。10回観てください。

3月3日

お久しぶりです僕です。なかなか更新できません。

撮影が終わって、ここ数日。編集→バイト。はい。ヨコシネに現像に出していた撮済フィルムですが、試写室でラッシュを観たところ感光も傷も汚れも無く、結構な仕上がりでございました。まあアレだ、撮影助手の方のおかげ。断じて僕のウデ云々ではなく。ありがたやありがたや。で、むしろ16の方ですが、まあ1カットだけ絞り忘れで真っ白けなカットがあったものの、テレシネの際の画像調整をしたところ画が出てきまして。もうね、ビックリですよ。デジタルだと、露出を上げてとばしたところはホワイトとして記録されるわけで、どんなに調整しようがホワイトのままなんですが、フィルムだと一応映像は粒子として残ってるんですね。多少ボケがかってはいるものの、ほとんどもとの状態に。すっげえぇぇ!フィルムすっげえええ!さすが100年以上も使われてきただけあるわー。という感じ。ちなみに僕のカチンコは半分くらいしかまともにフレームインしてなかった!わああ!

というわけで、今日もバイトでした。撮影の間、2週間ほど休んだわけですが、僕がいない間にバイト先の施設に入っているアピタが、「ぐるっとバス」という、なんともネーミングセンスのないシャトルバスの運行を試験運用し始めまして。で、臨時で新宿の支社から警備の方が来てたんですが、この人が実はとんでもない人で。最初に見たときからなんか妙なオーラを持ったおばさんだなあとか思ってたんですが。仕事が終わって、着替えながらその人と適当に駄弁ってたんですよ。管理室の情報の伝達の仕方が悪いとかなんとか。そしたら、いつもの同僚のオバちゃんが入ってきまして、2人が話してるときに「スタッフルームがなんとか」とか「番組の撮影がどうとか」という話が聞こえてきまして、僕が「テレビ局の警備とかやってんすか?」とか聞いたら、同僚のオバちゃんが笑いながら、「この方は映画の現場で記録を〜」…ってげええ!げ、げげ現職のスクリプターさんでらっしゃる!?しかも元日活ってことは、うちの学校の講師の大先輩じゃねーすかッ!ってことは間接的に僕の大大先輩さんではないですか!!げえーッ!知らずとはいえ、大大先輩さまの前でパンツ丸出しに!?わあ!恥ずかしい!!ちなみに、スクリプターってのは、撮影現場のカットのつながりであるとか現状の状態であるとか、つまるところ現場のすべてを記録する人のこと。彼女(基本的に女性)がいなければ編集が出来ないし、下手な現場だと監督ですら頭が上がらないという、「監督の女房役」とも言うべき影の権力者。要するにえらい人だ!そんな人の前でパンツを!げえー!!恥ずかしい!というわけで、バイトの同僚から一気に水戸黄門の正体を知った町人にまで成り下がり、ひたすら低頭。「最近の現場はビデオばっかりで…」「3、2、1、キューなんてまったく!」とぶつぶつ愚痴る彼女に、先日の16ミリ実習で助監督を担当したことを言ったところ、「ちゃんとボールド(カチンコ)入ってたの?」と射竦められまして。は、入ってねえー。半分くらいしか!恥ずかしい!「学校なんて行ってないで現場に行かないと意味ないわよー」とおおせられる彼女の後について、ひたすら頭を下げながら警備室を出る僕の様は、バイトの先輩曰く「親に必死についていく子供みてぇ!」だったらしい。そりゃそうだ!っていうか、スクリプターさんがなんでこんなとこにいるの!?「ぐるっとバス」の警備とかやってんの!?さっきまで警備報告書とか書いてたじゃん!わけわからん!油断も隙もねえ!はあー。