LIFE LIKE BLUE

Diary Log-2005-06

6月17日

はい。どうも。えと、なんか知らんうちに忍者ツールズのホスト変わってました。ごめんなさい。

15日
学校終わったあと、新宿で『フォーガットン』を観ました。観る人いますか?いないね?ネタばらすよ?犯人は宇宙人でしたーな、なんだってー!?また宇宙人か!なんでもかんでも宇宙人のせいにするなと。いや、予告編観た段階でそんな感じもしないではなかったんですが、まさか本当に宇宙人だったとは…。まあ、『シックス・センス』と比較してるあたり、単なる宇宙人モノではなく、ジュリアン・ムーアの母子の絆を全面に持ってきてるんでしょうが…。しかしね、あまりにもあからさま過ぎて逆に笑えました。特に宇宙人によるアブダクトの方法がすごい!何の前触れもなしに、突然登場人物がビューンと飛んでいく!主人公を追い詰めるNSAのエージェントも真実を知った警察官のおばさんも、みんなビューンと飛んでいく!いやもう、すごいわ。アブダクトの既成概念を吹っ飛ばす斬新な手法。どれだけ母子の愛情やらサスペンスを盛り上げても、これで笑うなという方が無理だ!しかしまあ、クライマックスの飛行場の廃墟での、キリコの絵画を髣髴とさせる悪夢的な映像はなかなかシャープでかっこよかった。まあ、そこだけ浮いてるっていっちゃあそうなんだけど。とにかく思い出すのはモルダーも真っ青になること請け合いのアブダクトばかりで。宇宙人も無茶なことをするなあ、と。ちなみにタイトルバックはカイル・クーパーでしたが、あまりに地味すぎてエンドロールを読まなければ気がつかなかった。キャストも『ER』のグリーン先生役のアンソニー・エドワーズや、どうみても胡散臭いゲイリー・シニーズなど割に豪華なんですが、どちらもイマイチ活躍のしどころがなかったりで、何かともったいない映画。

16日
バイト。特に書くこともなし。

今日は学校で撮影会議。全然関係ないけど、同級生からバッグと靴をもらった。ラッキー!お礼にラーメンを奢りました。僕はよくわからんですが、結構いいものらしいです。この調子で、生活に必要なものはタダ同然で手に入れて生きたいなあと思う今日この頃。人としてどうなの、それ!?

6月14日

ああーもう日記止めようかな。ろくなこと書いてねえじゃーん。て。はい。プチネガな始まり方でございますが、惰性が取得なんで、何かとてもなことがない限り続くことでしょう。続けばいいな。2周年です。これからもよろしくお願いします。

最近のあれこれ。

11日
映画『戦国自衛隊1549』公開日。コージさんと待ち合わせして、新宿に観に行く。劇場内はひたすらネットゲームの話をするいかにもな3人組とか、伊集院的な体型のアレな人たちでいっぱい。カップルもちょこちょこ居ましたが、見るからに居心地悪そうですな。映画館でカップルがマイノリティなんて久しぶりな光景ですよ。さすが角川。で、映画。あぅぁ、これは…これ駄目だ!駄目だこれ!映画で失望するなんて滅多にないんですが、最近は講義でいい映画を観る機会が多かったので、免疫切れてた。ぶっちゃけ、江口洋介の演技がどうの、脚本がどうのとかではなく、監督が致命的に駄目だ!演出のえの字も見あたらねぇ!僕が言うのもなんですが、これはあまりにも低過ぎだよ…。せっかくの実物の82式が…コブラが…。確かに福井さんのプロットも、完璧に小説になってないぶん心配なところがいくつかありましたが、もはやこれはそういう次元の問題じゃねぇ…。どこが?と聞かれると正直困るんですが、なんていうか観ればわかる。端的に言うと、ゴジラの居ないゴジラ映画だこれ。観ながらショックのあまり軽く眩暈が。3作の中でも低く見積もっていたので、ある意味心構えはしてたんですが…。予想を遥かに超える出来でございますよ。15億かけてこれじゃ、戦国時代なら監督は腹を割って死ぬとこですよ。じゃなかったら、僕がタイムスリップして一から作り直す。歴史を改竄しようとした鹿賀丈史扮する的場一佐の気持ちが痛いほどわかってしまいましたよ。その後、紀伊国屋で行われた福井さんのサイン会へ行くも、あまりのショックでしばらく立ち直れず。つまらない映画がこれほど体に悪いとは…!無事にサインしてもらった後、今度は恒例のオフ会へ。今回は61人も来るということで、福井さんとはほとんど喋れないだろうと思っていたんですが、映画のショックで喋れないという事態に。主催が主催だけに、角川関係の方とか映画の脚本化の方なんかもいまして、僕に出来るのは隅の方で死にかけることくらいでございましたですよ。ああもう、監督の手塚昌明は本当になんてことをしでかしてくれたのかと。ちなみに、恒例となったビンゴ大会で、映画のトートバッグとメイキングDVDを頂きましたが、怖くてメイキングなんて観れねえ…!

12日
昨日のショックから立ち直れず、昼までダウン。休み取っておいて本当に良かった。立ち直るために、新宿へリドリー・スコットの『キングダム・オブ・ヘブン』を観に行く。オーランド・ブルームは『ブラックホーク・ダウン』の落下兵ブラックバーン役や、『トロイ』の弱虫王子パリス役のイメージが強くて、どうにもヘタレなイメージだったんですが、本作での十字軍騎士バリアンは割と良かった。やればできんじゃん!って、まあヘタレ役をヘタレに演じるのも、ある意味では上手さの一種だったのかもしれないですね。ごめんよオーランド。かっこよかったよオーランド。しかしながら、周りを固めるバリアンの父ゴッドフリー役のリーアム・ニーソン、ティベリアス卿役のジェレミー・アイアンズ、そして、ハンセン病に冒されたエルサレム王ボードワン4世を、銀のマスクをつけたままゆらゆらと怪演するエドワード・ノートンとかに色々持ってかれた感じもしないではないですが。それにしても、『ハンニバル』のゲイリー・オールドマンといい、それなりに有名な俳優を特殊メイクの下に追いやるのが好きだなリドリーは…。ちと編集が荒い部分が目に付かないでもなかったですが、まあ、あれだけの叙事詩を2時間30分に納めたんだから仕方ないか。誰が誰やらわからない戦闘シーンは、臨場感が溢れていてすごいんだけど、やっぱり誰が誰やらわからなかった。僕の中では、オーランドは三回くらい死んでたような。生きててビックリ、みたいな。観終わって気がついたんですが、この話って、歴史的にはラストが以前読んだ定金伸治の『ジハード』に繋がってるんですね。獅子心王リチャードもラストでチラリと出てたし。いやあ、そう考えるとまた面白いですわ。しかし、なによりこの映画は、単純なキリスト教徒とムスリムの戦争劇に終始していないところがいいです。戦闘は交渉道具であって、人間と人間との相対し方はまた別の次元であるという当時の時代背景とか。これを観て戦争の虚しさに気がつかなかったらアホですよ。まあ、このご時世にこんな映画を作ったことだけでも評価に値すると思いました。はい。どっかの戦国自衛隊映画とはえらい違いですな。

13日
学校。先日放送された鶴橋康夫監督の『ぶるうかなりや』を観る。面白かった!柄本明は最高ですね。しかし、柄本明と渡辺えり子から村上淳が生まれるというのは…遺伝子的に…すごいな…。とにかく柄本明の怪演が素晴らしく、なんと宮沢りえと柄本明のベッドシーンまで!げえぇー!宮沢りえは、まあ一時期に比べると顔色もよくなって、髪をかきあげる仕草などいちいちエロいのですが、視線は回りまわって結局柄本明(のケツ)に!…とまあ柄本明ばかり連呼しててもしょうがないのですが、とにかく脚本が素晴らしく、その素晴らしい台詞を喋る柄本明がこれまた…いや、もうよそう。中盤から多少テイストが変わってダレるような感じもしますが、まあそれを差し引いてもいいドラマでした。午後はその鶴橋監督直々に講義。御年65ですが、もうこれでもかってくらいパワフル。映像関係の老人てのは、やっぱみんなすげえなあ。撮影中の榎本明と宮沢りえとのやりとりのエピソードなど非常に面白かったんですが、一番驚いたのは、この脚本を構成している要素のほとんどが監督自身が記憶するエピソードであること。一見突飛でも、やはり血肉の通ったエピソードってのは登場人物に生命を与えるものなのだと、改めて感じました。うーん、どっかの戦国…いや、もうよそう。

14日
バイト。いまいちな一日だった。バイト先の、年の近い同僚二人が来月で辞めることに。わあ、やべえ。ぼくもそろそろ脱出プランを立てないと…。中嶋博行の『司法戦争』を読了。書かれたのは割と前ですが、PL訴訟とか陪審制度の導入とか、けっこうタイムリーなネタなんで、むしろ今読んでおくべき一冊。知らないうちに、当然のように導入が進められているシステムの表と裏を知っておくためにも。そして自分たちがそこに組み込まれたときのためにも。

これだけ書いといて、いざアップしようとしたらなんかFTPつながんないし。むぅ。先行き怪しいね。というわけで、これからもこのサイトをよろしくお願いします。

6月9日

げぇー!やべえ全然更新してねえじゃねえですかどうも僕です。もはや最近の出来事を思い出すことも出来ませぬが。

ダシール・ハメットの『マルタの鷹』を読了。ハードボイルドの祖と誉れ高い名作ですが、チャンドラーのフィリップ・マーロウに比べると、サム・スペードはいまいちだな。なんか性格がよくわからん。女と見るとなんだかんだと甘い台詞を吐くくせに、女に甘いといわれると怒るとか。マーロウの方が、孤高という意味ではスタンスが一貫しているというか、意思がハッキリしてて好きです。やはりチャンドラーは偉大だ。

消化不良なので、近所のブック・オフで、ハンフリー・ボガートがマーロウに扮する『三つ数えろ』のDVDを買った。1500円の名作シリーズの奴。話とかはともかくとして、字幕がメチャクチャだった。台詞が途中で切れてる!おいおい!いまどき海賊版でも、もちっとマシだぞ!?面白かったけど、やっぱ原作のマーロウにはかなわんですわ。やっぱボギーはダメだな。

講義で溝口健二の『近松物語』を見た。技術やシナリオは素晴らしいんだけど、主演の長谷川一夫がなよなよしてて性に合わず。香川京子はすげえ綺麗だったけど、ガッシと抱き合いながら長谷川一夫が「ああん…」とか喘ぐと激しく興ざめ!不義密通で市中引き回しになるラストで、女中に「茂兵衛さんも、あんなに晴れ晴れとした顔をしてはる…」とか言われている長谷川一夫の顔は、どう見てもショボーンとしているのが笑える。今も昔も人気俳優という奴はどうもダメだな。

気がつけば、東西の名優二人にダメ出し。何様か。

タワレコでtunngの『mother's daughter and other songs』を、ブック・オフでティアーズ・フォー・フィアーズの『キング・オブ・スペイン』『SATURNINE MARTIAL & LUNATIC』、スパイラルライフの『FLOURISH』を購入。tunngは久々のヒット。アコギとエレクトニカだけど、電子音のくさみが全然ない。昔はテレビ向けソフト・ポルノのサウンドトラックを作ってたりだとか、ランジェリー・ショップの地下でレコーディングしたりだとか、このデビュー・アルバムのフォーキーでゆったりとしたサウンドからは想像できないような妙ちきりんな経歴の二人組。ティアフィアはどれも傑作だけど、特にオーザバルのソロ・プロジェクトになってからの『キング・オブ・スペイン』は個人的に最高傑作。この高揚感は今聴いてもまったく色褪せることがない。1000円で購入したけど、ディスクユニオンの店員には「そこらの中古屋に行けば100円で売ってる」とか言われた。酷い言い様だ。スパイラルライフは、AIRになった今も含めてこの『FLOURISH』が一番好きですわ。音楽性もアルバムとしての統一性も。ラストナンバーは、今思えばあからさまにマイブラなのだが、まあ彼に関してはそれは言いっこなしで。250円だった。叩き売りですね。

6月3日

学校。録音の講義。かれこれ50年以上も映画の録音をやっているどえらい人がやってきました。実は、映画『亡国のイージス』の録音をやった人でもあります。現場の音はもちろん、ロンドン行ってトレヴァー・ジョーンズのスコアを収録したり、ロスのスタジオで現地のミキサー技師を使ってMAやったりと、御年70を越えてるとは思えぬ行動力。そのくせ、アビッドとかなんとかいうミキシングのソフトをバリバリ使いこなすんだからすげえですわ。しかも、あろうことか、この映画の企画をプロデューサーに相談されたとき、監督に阪本順治を、主演に真田広之を推したのもこのお方だということで、いわば『亡国のイージス』における影の立役者。79年公開のオリジナル版『戦国自衛隊』の録音を担当されてまして、イージス原作者の福井さんとも『戦国自衛隊1549』執筆のために色々と話をしたということで。なんというか、こないだの東陽一監督と原寮といい、どうも世間てのは狭く出来てるようですな。撮影の裏話も色々聞けてすげえ面白かった。

というわけで、映画『亡国のイージス』は7月30日(土)公開です。…早過ぎか。

6月2日

げぇー!シナリオ終わんねえー!いったいこれ何分の映画だ!?というわけで、ひたすら書いては消し、書いては消し、いい加減モノを書くのが苦痛な感じで、明日提出で、というわけで、僕です。少々息切れ気味です。

『亡国のイージス』公式サイトで、トレヴァー・ジョーンズの音楽を使用した最新トレーラー公開されてます。最高にかっこよすぎです。やべえ!楽しみだ!

読了。
R・D・ウィングフィールド/『フロスト日和』 『夜のフロスト』
レイモンド・チャンドラー/『事件屋稼業』
読み途中。
ジェフリー・ディーヴァー/『静寂の叫び(上)』